迫害下にあるキリスト者を支援するキリスト教団体「リリース・インターナショナル」(英国)は5日、脱北者を「難民」として認め、北朝鮮へ強制送還しないよう中国政府に求める約5万人分の署名を英国の中国大使館へ提出したと発表した。
同団体CEOのアンディー・ディッパー氏は声明で、北朝鮮は「キリスト者として生きるのに世界で最も過酷な場所」だとし、「我々の中国政府へ対する訴えは、(脱北してきた)これらの男、女、子どもたちを同情を持って扱い、逃亡者としてではなく避難民として扱って欲しいということだ。そして、飢えと迫害の地に送り戻すことを止めて欲しいということだ」と訴えた。
中国への脱北者は過去10年間で最大50万人いるとされているが、中国政府は国連の難民条約で保護が義務付けられている「難民」として認めず、不法入国者としているため、中国警察に摘発された脱北者は北朝鮮へ強制送還される。北朝鮮では無許可の出国は厳しく禁じられており、強制送還された人々に対しては死刑を含む処罰や、拷問など非人道的な行為が行われることが報告されている。
同団体は中国政府が年間約4000人の脱北者を強制送還していると指摘し、特に、▽北朝鮮の社会体制から逃れてくる男、女、子どもたちに対して、難民として認定することで同情心を持って接し、▽第三国への安全な亡命経路を確保し、▽北朝鮮への強制送還を直ちに取りやめること、を強く求めた。