キリスト教徒の政治家アンソニー・ナビード氏が、キリスト教徒として初めて、シンド州議会の副議長に選出され、パキスタンの歴史に名を刻んだ。
進歩的なパキスタン人民党(PPP)を代表するナビード氏は、147票中111票を獲得し、ムッタヒダ・カウミ運動(Muttahida Qaumi Movement)の対立候補を破っての当選となった。カラチの質素なカトリックの家庭に生まれた53歳の彼は、地域社会への奉仕活動に深く関わり、地域の若者のための教育活動にも力を入れてきた。
彼の当選はパキスタンにおける宗教的少数派の権利と政治的影響力促進に向けた重要な一歩と見られており、PPPはその包括的なアプローチを称賛している。権利活動家や地域社会の指導者たちは、ナビード氏の当選を、政治におけるキリスト教徒の代表性を高めるための画期的な出来事として高く評価している。
イスラム教が強く、度々キリスト教徒への厳しい迫害が起きるパキスタンだ。悪名高い冒瀆(ぼうとく)法の冤罪事件などは国際ニュースになることもある。今回のナビード氏の当選が、パキスタンの信教の自由を政治的に後押しするきっかけとなることを願ってやまない。
パキスタンの信教の自由の拡大と福音宣教の拡大のために祈っていただきたい。
■ パキスタンの宗教人口
イスラム 95・8%
プロテスタント 1・8%
カトリック 0・8%
ヒンズー 1・8%
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