日本ケズィック・コンベンション東京大会が2月28日と3月1日の2日間、東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開かれた。1日午後の集会には、都内近郊から教職や信徒ら307人が参加。主講師のロバート・エイメス博士が同日夜の集会で、ローマの信徒への手紙8章26節から27節を本文に講演し、「キリスト者の希望は神の約束に基づくもの」「神は最善をなしてくださる方。神が必ず栄光へと導いてくださる」と語った。
エイメス博士は、使徒パウロが本文と同じ章の18節で、将来キリスト者に約束されている神の栄光について述べながらも現実の苦しみを否定していないことを強調し、「私たちは自分の置かれている現実について正直になるべき」と語った。また、「信仰を持てば何でもうまくいくと教えるのは安っぽい(うわべだけの)福音」であり、現実の問題を正直に話していないので何か困難にぶつかればすぐに神から離れてしまう、と指摘した。
本文の24節にある「希望」について、「この希望は『こうなったらいいな』というたぐいの希望ではない」「キリスト者の希望は神の約束に基づくもの」と強調。さらに「この約束はキリストの十字架と復活に基づくもの」「キリスト者の確信できるもの」と付け加えた。
同時に、この希望がまだ実現していないために「忍耐して待ち望む」(25)ことがキリスト者に求められるが、自分の「弱さ」のために忍耐には大きな困難を伴うと語った。使徒パウロにも自分の弱さがあったことをあげた。
しかし、「決して絶望する必要はない」と強調。神ご自身である聖霊が「私たちを助けてくださる」(26)と語った。
聖霊の助けについてエイメス博士は、聖書の言葉や牧師の説教などを通しての一般的な助けのほかに、「(自分の弱く足りない祈りを)聖霊ご自身がその弱さを取り上げ、自分の代わりに祈りをささげてくださる」聖霊の執り成し(26)という特別な助けがあることを強調した。
聖霊の執り成しは、とても厳格な裁判所の中に立たされて恐れおののく自分の代わりに、完璧な主張を裁判官に語ってくれる弁護士のようなものだと説明。「(聖霊は)私たちが自分を知る以上に私たちをご存知」「私たちが何を祈るべきかを教えてくださる」と語った。
また、聖霊が自分に代わって執り成すために、「私たちのささげる小さな祈りが、この世でもっとも大きな祈りとして神に届く」と語った。
エイメス博士は、神の御心を信頼して神の愛に心を開いて祈るとき、心に平安があると証した。「時にどう祈ったらいいかわからないときもあるが、それでも聖霊はその祈りを受け取って、私たちの代わりに祈ってくださる」と語った。
最後にエイメス博士は、「憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただく」(ヘブル4:16)ために、祈りの中での聖霊の助けを信じて日々毎時間、神の前に出て行くよう聴衆に呼びかけた。