ローマ教皇庁(バチカン)は今年初め、05年のハリケーン・カトリーナが米南部のニューオーリンズなどを襲った際に、同市における同性愛などの性的寛容に対する天罰だ発言し問題視されていたオーストリアのゲルハルド・マリア・ワグナー司祭(54)を補佐司教に任命することを決めていたが、3日までに任命を取り消すことを発表した。カトリック教会内からの反発が強まり、ワグナー司祭自らが取り消しを求めていたという。共同通信が伝えた。
バチカンは2月1日に、ワグナー司祭をオーストリア北部リンツ教区の補佐司教に任命すると発表していた。しかし、発表後すぐにオーストリア内のカトリック関係者は、リンツ教区との協議がなかった印象があるとして、「非常に喜ばしいということではなかった」などと地元紙に対してコメント。ワグナー司祭の人選が、「超保守的なもの」と反対する声が上がっていた。
オーストリアのカネット通信によれば、ワグナー司祭は教会報に、カトリーナがナイトクラブや売春宿だけではなく妊娠中絶施設なども破壊したと語り、「この市の不道徳な状況は言語に絶する」などと述べていたという。