米ニュース専門放送局「CNBC」(英語)が、パレスチナ自治区の保健当局者の話として伝えたところによると、イスラエル軍は16日、同自治区ガザ地区にあるガザYMCAの建物に攻撃を行い、複数の死傷者が出た。
これを受け、世界YMCA同盟は18日に抗議声明(英語)を発表。「一般市民に対するこの恐ろしい攻撃を強く非難し、イスラエル政府に対して、分断を深め、このようなトラウマを引き起こすだけの無差別暴力行為をやめるよう求めます」と要求した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告(英語)によると、イスラエル軍は16日午前、ガザ地区北部のガザ市リマル地区にあるガザYMCAの建物を攻撃。パレスチナ人6人が死亡し、多数の負傷者が出た。ガザYMCAの敷地内には当時、約250人が避難していたという。
世界YMCA同盟は声明で、ガザYMCAと近隣の教会は10月に戦争が始まって以来、多くの人々の避難場所となっていたと説明。「YMCAは常に、コミュニティーの全ての人々を迎え入れ、さまざまなサービスや機会を提供する場所でした」と伝えた。
その上で、「暴力は暴力を生みます。今すぐやめてください」と要求。「クリスマスのこの時期に、救い主の誕生を祝う準備をしながら、私たちは人々の心の中に平和が訪れるよう祈り続けます。私たちは今回の攻撃で負傷した人々の回復のためだけでなく、軍による攻撃の犠牲となった全ての人々のために祈ることを、皆さんに呼びかけます」と伝えた。
ガザYMCAのホームページ(英語)は20日現在、一部の内容は確認できるものの、エラーが出ており正常に表示されない。また、フェイスブック(アラビア語)も戦争が始まる前の10月5日の投稿を最後に更新が止まっている。
イスラエル・パレスチナ地域には、イスラエルに「エルサレム・インターナショナルYMCA」、パレスチナ自治区ガザ地区に「ガザYMCA」、同自治区ヨルダン川西岸地区に「東エルサレムYMCA」と、計3つのYMCAがある。今回の戦争では、既にガザYMCA関係者に犠牲者が出ているという。
日本YMCA同盟は、世界YMCA同盟の声明の日本語訳をホームページに掲載するとともに、関連情報を発信している。また、11月からは緊急支援募金も行っている。詳しくは、募金のページを。