ロシアの最後の皇帝であるニコライ2世が建築し、その後イタリアのムソリーニ政権が事実上没収していたイタリア南部バリの聖ニコライ教会が1日、ロシア政府に返還された。返還式には、イタリアのナポリターノ大統領と、ロシアのメドベージェフ大統領が出席。ナポリターノ大統領が教会の所有権を象徴する鍵を手渡した。共同通信が伝えた。
同教会はサンタクロースのモデルとなったと考えられている聖ニコライ(=ミラのニコラオス)を記念して、遺骨が埋葬されている同地に1920年に建設された。しかし、反共産主義のムソリーニ政権が1937年に強制的に買収し、それ以後はバリ市が管理していた。
教会の返還はプーチン元露大統領時代の07年に要請され、すでにイタリア政府とローマ教皇庁(バチカン)が承諾していた。式典は当初、昨年12月に行われる予定であったが、ロシア正教会のアレクシー2世前総主教が同月に死去したため、この日まで引き伸ばされていた。