NHKの現行の番組中の最長寿番組・・・実に52年目を迎えている"きょうの料理"の内容も、時の流れにつれ徐々に変化しています。今月末には、料理の材料の目安が、従来の4人分から2人分へと変わるそうです。1957年の番組開始当時は、5人分でスタートしたものが、1965年からは4人分へと変更され、最近の番組テキストの読者アンケートの結果から2人分を望む声が多いということで、44年ぶりの変更に踏み切ったということです。
核家族化、高齢化、少子化、離婚の増加などの影響で、日本の家族の規模がどんどん小さくなっているということです。2005年の国勢調査によれば、1世帯の平均人数は、2.55人だとか。私が小学生の頃には、平均4人近くと習ったと記憶しています。今では、同じ料理を作るにしても、家族でも4人分では多すぎるということ・・・。ちょっと淋しい感じを覚えるのは、決して私だけではないはずです。家族というのは、私たち人間が生活していく上での最も基本となる人の集まり。それが時代の流れと共に、徐々に小さくなっているのです。
集団よりも個人に重きが置かれる今どきの風潮ですから、家族同士でも一緒にいるというよりも、だんだんと個々人がそれぞれ別々に暮らしていくことが当たり前になっているのでしょう。しかし、人は一人で生きていくようには造られていないのですから、むやみに家族の規模が小さくなり続けることには、良いところだけでなく明らかに短所と言うべきものも増えていくはずです。
クリスチャンの世界には、"神の家族"という考えがあります。私たちは、主イエス・キリストを信じ受け入れたことにより、主にある兄弟姉妹としての新しい生き方が与えられたというのです。お互いを○○兄弟、◇◇姉妹と呼び合うのは、単なる称号ではなく、それぞれを霊的な家族の一員と認めているからです。個人個人がバラバラになって、孤立した時間が多くなる現代風の生き様とは全く別の、共にいて励まし合い、祈り合う、神の家族の一員として生きる意識を大切にしたいものです。
人が共に集う所に、明るさが芽生え、温かみが生じ、勢いが生まれてきます。悲しみは分かち合うことができ、楽しさは何倍にも喜び合うことができます。神の家族が、その規模や人数においても成長していくことは、本当に素晴らしいことなのです。世の中の家族の有様が、どんどん小さくなっていく中で、私たちはぐんぐん成長する神の家族を意識しましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。