「ある国により多くの宣教師を送るなら、私たちはその国の救霊を助けるよりは、むしろ害する結果を及ぼすかもしれない」などということは、おそらく聞いたことがないのではないだろうか。
いったいどうしてそんなことが起き得るのか。多いことは常に良いことではないのか。「否」答えは真逆になることがある。
「キリスト教徒の人口が多い国に宣教師とリソースを送り続けると、彼らは、その国には霊的必要があるのだという認識を強固にしてしまう可能性があります。それは常にそうなってしまうようです。ところが実際は、宣教師が急進的な新しい宣教力へと変貌を遂げる時期は、とうに過ぎているのです」。そう言うのは、Via(旧宣教動員センター)のスティーブ・シャドラック氏だ。「国によっては、より多くの宣教師が必要だというわけではありません。そこで必要なことは、キリストのからだに仕える謙遜さを持つ異文化の信者を動員することなのです」
シャドラックは、他の国に奉仕者を送るミニストリーで指導的役割を持つキリスト信者に助言を与えている。それは、特定の国(または民族グループ)がより多くの宣教師、またはより多くの動員者を必要とするかどうかを検討する機会となる。
彼は、それぞれの国または民族について、より多くの宣教師が必要なのか、それとも動員者が必要なのかを見極める材料を提供するのだ。
今日、福音派教会の80パーセントはアジア、アフリカ、ラテンアメリカにある。これらの国の多くは、信者を巻き込んで備えさせ、結び付け、奉仕者を育て、未到達者へと派遣する。それによって彼らは、ミッションの動員者になるのだ。
この目的のために、Viaは、よく研究された多くの指標に基づいて、動員可能性が最も高い国々の洞察を助けるための動員指数を開発した。これらには、米国、中国、韓国、ブラジル、台湾、インド、フィリピン、ペルー、プエルトリコ、チリが含まれる。
宣教師を送ることが益しないばかりか、場合によっては、それが害することさえあるというのは意外だ。いずれにしても、国内のリバイバルが活発な国や地域の信者は、海外宣教にも積極的である。
かつて日本の福音自由教会は、国内に8教会しかない弱小グループだったが、60年代から、優秀な牧師たちが国内の伝道を後任に任せ、次々に海外宣教師として飛び立って行った。その結果わずか10年足らずで、たった8教会の弱小グループが、一気に60教会を擁するようになったのだ。
「与えなさい。そうすれば、あなたがたも与えられます」(ルカ6:38)とある神の国の倍増原則は、まさにその通りだ。リバイバルが海外宣教を生み出すのと同時に、優秀な人材を海外宣教に「与える」とき、国内の救霊もまた、豊かに祝される。
「与える」そして「与え合う」をモットーとして、宣教の果実が世界的に倍加するがごとくに拡大するよう祈っていただきたい。