子どもの頃、両親がお金持ちだったため、イゴールは欲しいものは何でも手に入れた。
13歳の時、彼はバイクを買い、北マケドニアの村の通りを走っていた。時には危険な状況に陥ることもあったが、彼はなんとか生き延びた。
成長するにつれ、彼は自分の人生にもっと多くのものを求めるようになり、スピリチュアリズムに関する本を読み始めた。しかし、彼が求めていた平安は得られなかった。彼は苦悩して眠れず、不眠症に陥ったのだ。
時々、イゴールは「私はここにいる。私に立ち返りなさい」と語る声を聞いたが、その声を拒み、気にも留めていなかった。
彼は結婚し、妻との間に2人の子どもをもうけた。ところが間もなく、2人は離婚した。「あの時は人生で最もつらい日々だった。生きている理由がないように感じていた」とイゴールは言う。
地元の信者が、神の御言葉を分かち合い、彼のために祈りたいと申し出たとき、イゴールは喜んでそれを受け入れた。イゴールは四福音書を読んだ後、イエスを自分の主であり救い主として受け入れた。間もなく、彼はバイクに乗ってイエスに仕える道を見つけた。
イゴールは、地元の兄弟たちから学びと弟子訓練を受けた。今は国内を旅して、人々にイエスのことを伝えている。イゴールは言う。「神は私を暗闇から引き上げ、光の御国に置いてくださいました。他の人たちもこの知らせを聞く必要があります。私はイエスのためにバイクに乗り、私たちを救ってくださったイエスのために福音を伝えます」
生きることは一筋縄ではいかない。年を重ねれば重ねるほど、すねに傷を持たない者などいないだろう。「なぜ、あれをしなかったのか」あるいは「なぜあれをしてしまったのか」など、傷や痛み、後悔は人生につきものだ。
しかし、それもこれもひっくるめて「福音」を信じるとは、「それでも良かった」と心底言える力ではないだろうか。そして、人生の嵐にもまれたイゴールも、福音を見いだし、ついに平安の港にたどり着いた。
人生に傷つき、悩みもがいている人々が大勢いる。イゴールは今では、助けられる者ではなく、そのような人々にキリストを紹介して、助ける側に移された。彼のような変えられた人生の生きた証しが北マケドニアに満ち、人々をキリストに導くよう祈っていただきたい。
■ 北マケドニアの宗教人口
正教 64・1%
プロテスタント 0・3%
カトリック 1・0%
英国教会 0・01%
無神論 3・5%
イスラム 31・0%