モザンビークでは、特に北部のカボ・デルガド地方で、IS系のイスラム主義グループ「アル・スンナ・ワ・ジャマア」やソマリアの悪名高い「アルシャバブ」とつながりのある戦闘員などの反政府勢力が、テロ支配を強めている。
イスラム過激派が存在感を増すにつれて、キリスト教徒は強い迫害に直面している。人々は日々拉致の脅威にさらされながら生きている。この地域に留まる者もおれば、切迫した状況を避けるため、家や地域社会から逃げ出し、自活している者もある。多くの人々が暴力によって心に傷を負っており、結婚や民兵活動を余儀なくされた人々は、しばしば羞恥心や汚名に悩まされる。
モザンビークの他の地域では、イスラム教やアフリカの伝統宗教の背景から改宗したキリスト教徒らが、家族から信仰を捨てるよう迫られることも多い。モザンビークに住む多くのイスラム教徒の家族は、改宗したことが疑わしい女性をキリスト教の活動から遠ざけるために、イスラムの男性と結婚させるのだ。既婚女性の場合は、キリスト教に改宗すれば離婚に直面する。場合によっては、子どもの親権を失い、正当な相続を拒否されることもある。
地域によっては、麻薬カルテルがキリスト教徒を迫害し、特に教会のユース奉仕者を標的にしている。公的教育機関におけるあらゆる宗教的影響の禁止や、宗教団体に対する煩雑な登録要件など、信教の自由に対する政府の干渉があり、国内の緊張は悪化の一途をたどっている。
また、モザンビークは、早期結婚の割合が世界で最も高い国の一つである。そのため、幼い女子は特に被害を受けやすい。わずか7歳の子どもたちがイスラム過激派との結婚を強制されているのだ。
昨年、ルワンダと南部アフリカ勢力の作戦により、モザンビークのイスラム過激派は多くの町や都市の支配権を失った。とはいえ、彼らの影響力は依然として非常に高い。イスラム過激派の攻撃により、多くのキリスト教徒の命が奪われている。
IS系のイスラム主義グループ「アル・スンナ・ワ・ジャマア」は、モザンビークにイスラムのカリフ制を樹立することを望んでおり、数々の残虐行為を行っている。彼らは教会や学校を焼き払い、その結果、数万人がモザンビーク北部から逃げ出した。現在、数十万人が国内難民キャンプで暮らしている。さらに、幾つかの地域では麻薬カルテルが存在し、キリスト教徒の生活を困難にしている。
広範かつ厳しい迫害のある北部のカボ・デルガド州は現在、イスラム武装勢力に支配されており、この地域で2500人から3300人が殺害された。この暴力から逃れるために、約80万人が避難しているのだ。ジハーディストによる攻撃は、すでに国境を越えてタンザニアに波及しており、南へ、そして隣国マラウイへと拡大する可能性が高い。
モザンビークで迫害を受けている人々の周りに主の守りが置かれ、何千人もの避難民に住まいと食料と水が与えられるように。強制結婚や武装集団によって拉致された子どもたちが守られ、彼らに神の愛が届き、自由の身にされるように祈ろう。
イスラム過激派の計画が押しとどめられ、憎しみと暴力に打ち勝つキリストの愛が彼らに立ち向かうように。そしてモザンビークの兄弟姉妹の宣教と安全のために祈っていただきたい。
■ モザンビークの宗教人口
プロテスタント 29・9%
カトリック 20・6%
英国教会 0・5%
イスラム 18・6%