クーデターが発生したアフリカ西部のニジェールに短期宣教で訪れていたハーモニーヒル・バプテスト教会(米テキサス州ラフキン)の学生ら一行12人が、予定より数日遅れたものの、無事米国に帰国した。
同教会は3日、フェイスブック(英語)に「一行は米国行きの飛行機に搭乗しました。帰国まで祈り続けてください」というメッセージを、笑顔の一行の写真と共に投稿した。そして、翌4日には、同教会のトッド・コア主任牧師が動画(英語)で、一行が無事米国に到着したことを報告した。
同教会の青年会「ハーモニースチューデンツ」の一員として、ニジェールの首都ニアメを訪れていた一行は、7月26日に同国のモハメド・バズム大統領を拘束するクーデターが起きたことで、現地に足止めされていた。
一行は当初、現地のパートナー教会と共に4日間にわたって奉仕し、7月30日には米国に帰国する予定だった。しかし、クーデターのため空港が一時的に閉鎖されたことによって、帰国に遅れが生じてしまった。
ハーモニースチューデンツは7月28日、フェイスブック(英語)に一行の写真と共に近況を投稿。「一行は4日間、私たちのパートナーの教会と共に奉仕する素晴らしい宣教活動をしました」とし、帰国は遅れることになるものの、「現時点ではニアメは平和であり、市民とチームは予定通りの日々を過ごしています」と伝えていた。
同教会の広報担当者であるチャールズ・ロバーツ氏は、米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)の取材に応じ、米国務省とニアメの米国大使館の尽力により、一行はまずニジェールからイタリアへ移動したと語った。
「信徒たちの祈りは応えられ、宣教チームがイタリアからの帰国の途に無事着くことができるよう、主が道を開いてくださいました。教会共同体の総力を挙げた献身と、数え切れないほどの人々の揺るぎない支援が、この進展と喜びの時をもたらしたのです」
ロバーツ氏は、ラフキンのマーク・ヒックス市長、またテキサス州選出のピート・セッションズ下院議員やテッド・クルーズ上院議員が、「驚くべき献身を示し、宣教チームの送還を優先させ、思いやりのあるリーダーシップと地域社会の協力の精神の模範となりました」と称賛した。
ロバーツ氏はまた、一行のために帰路を確保してくれたイタリアの「並外れた親切な行為」にも感謝の意を表した。
「教会は、宣教チームの帰国便の便宜を図るという格別の親切な行為を示してくれたイタリアの代表者たちに心から感謝の意を表します。この国際親善の行為は、人類相互のつながりと、地理的境界を超えた思いやりの証しです」
米国務省は2日、クーデターの発生を受け、ニジェールへの渡航警戒レベルを4段階で最も厳しいレベル4(渡航中止)に引き上げ、次のように警告している。
「ニジェールへの渡航は、犯罪、テロ、誘拐などの問題があるため、再考するよう勧告されています。7月26日、民主的に選出されたニジェール政府を転覆させようとする動きの中、モハメド・バズム大統領は自宅軟禁されました。その後の出来事も、フライトの選択肢を著しく制限しています。このような事態を受け、国務省は8月2日、緊急の用事がない米国政府職員とその家族に対し、ニアメの大使館からの退去を命じました。現在、ニアメの米国大使館は、一時的に人員を削減し、通常のサービスを停止しており、ニジェールにいる米国市民への緊急援助のみ提供しています」