ローマ教皇フランシスコ(86)は7日、ローマのアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院で、腹部のヘルニアの手術を受けた。手術は全身麻酔を伴うもので、約3時間にわたったが、合併症もなく成功したという。教皇は今後数日間、入院する。
バチカン・ニュース(日本語版)によると、手術は教皇の担当医らがこの数日間話し合った上で決めた。腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアによる閉塞に近い症状や痛みなどが見られたためだという。
腹壁瘢痕ヘルニアは、開腹手術や外傷後の傷跡が大きく膨らむもので、腹部の手術の合併症の一つ。腹部の手術後10年で約1割の人に発生するとされている。教皇は2021年7月に結腸憩室炎の手術を受けていた。
時事通信によると、執刀した医師は記者団に「教皇は手術にも麻酔にも、ちゃんと応じてくれた」と言い、麻酔から意識が戻った後には冗談も話したと語った。
教皇は6日にも診察のためアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院を訪問。7日は、午前に毎週水曜日恒例の一般謁見を行い、午後に手術を受けた。バチカン・ニュース(英語版)によると、予防措置として、教皇の全ての謁見は今後18日まで中止される。
教皇は3月にも呼吸器感染症のため4日間入院しており、今回の入院は就任以来3回目。
教皇は、8月2~6日にはカトリック教会の「第37回世界青年の日(ワールドユースデデー)」のリスボン大会に出席するためポルトガルを、8月31日~9月4日にはモンゴルを司牧訪問する予定。
ロイター通信によると、医師はこれらの訪問スケジュールを変更しなければならない医学的理由はないとしている。