イランのイスラム教徒スーザン(仮名)の家族は、大変な苦しみを味わっていた。トラック運転手だった夫は事故によって人をあやめてしまい、刑務所に収監されていた。出所後の社会復帰につまずいた夫は薬物中毒、うつ病を患い、暗闇の中に迷い込んでしまった。それに伴い、娘もうつ病を発症し、医療機関を受診したが、そこで処方された薬に溺れるようになった。それで彼女は何度も自殺を図ったのだ。
家族の問題からくるストレスと経済的な重圧で、スーザンは体調を崩すことが多くなり、腎臓の片方を失ってしまった。その上、医者からは、失明寸前だと宣告されたのだ。スーザンは毎日毎晩、必死でアラーに助けを求めていた。
ある日、テレビのチャンネルを回すと、宣教団体イラン・アライブが放送している福音番組で、ホルモズ・シャリアット博士が話しているのに目が留まった。スーザンは、番組に便りを寄せてこうつづった。
「私はただ座って、彼が神の愛と善について話すのを見ていました。私はとても感動しました。番組の最後に彼と一緒に祈ったところ、平安な感覚が私の上に降り注ぐのを感じました。私は毎日毎日、あなたたちの番組を見続けました。そして夫にも声をかけました。数日後、主人もホルモズ牧師と一緒に祈りました。そして、娘も一緒になって救いの祈りをささげました」
スーザンは、自分の家族が聖書を持っていなかったので、放送で読まれた聖句をそのまま書き留めたそうだ。そして、次第にそれが増えていき、自分たちの手書きの聖書が出来上がったという。彼らのお気に入りの聖句は詩篇23篇だそうだ。
「主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません」(詩篇23篇1節)
「主は私の家族一人一人を癒やしてくださいました」とスーザンは締めくくる。夫は薬物から解放され、娘も薬物中毒から解放された。スーザンの視力も回復しており、医師はもう視力を失う危険はないと言っている。
ハレルヤ、憐れみ深い主の御名をたたえよう! 神は、人々の人生の最も暗い死の影の谷を、緑が豊かに生い茂る牧場に、憩いのみぎわに変えてくださる。まるで、敵の前でうたげを開いているかのようだ。
イランのような信仰や伝道が制限される国では、イラン・アライブなどの衛星放送が功を奏している。福音を取り締まる政府も、宇宙から降り注ぐ良き知らせの電波の受信を妨げることはできない。
このような衛星放送を用いた福音番組がますますイランの福音化に用いられ、多くの人々の救霊につながるよう、祈っていただきたい。
■ イランの宗教人口
イスラム 37・2%
キリスト教 1・5%
無宗教 22・2%
ユダヤ教 0・02%