西アフリカのあるイスラム教の強い某国(※安全のため国名不詳、仮名とする)から、新約聖書に登場するような力強い証しが届いた。
ある日、何の前触れもなく、ドリス兄の家の玄関に見知らぬ男が現れ、彼は唐突に「イエス・キリストについて何か知っているか」と問うた。この男イスマイルは、イエスが夢に現れて、ご自身について学ぶためにドリスの家に行くよう指示されたと言うのだ。
キリスト信者になってまだ日も浅く十分な知識もなかったドリスだが、彼はイスマイルの話に興奮して家に招き入れた。ドリスは何としてもイスマイルの質問に答えたいと、熱意は持っていたが、イスマイルがイスラム学者だと分かるとドリスはろうばいした。ドリス兄は低学歴の自分にコンプレックスがあったのだ。
そこでドリスは、彼の聖書教師のジョセフに電話をかけ、家に来てもらった。イスマイルは次々にジョセフに質問を浴びせ、質疑は数時間に及んだ。イスマイルは、イエスのことをもっと知りたがったが、ジョセフは「今日はひとまず終わりにしよう」と言ってその日の話を打ち切って、こう続けた。「今後の学びは、ドリスとイスマイルが一緒に会って進めるといい」
これにドリスは慌てて「無理!無理!無理!俺は学が無いんだよ!」と内心焦って、心中穏やかではなかった。
しかし、ジョセフの勧めには戦略があった。2人の聖書勉強会は、初心者のドリスには責任と自信、そして成熟をもたらし、求道するイスマイルは救いに至る真理を見つけるだろうと。そして何よりもイスマイルに夢で語った主イエスは、ご自身について学ぶために、ドリスの家に行くように示したのだ。
最初の出会い以来、ドリスとイスマイルは毎週会って聖書を学んでいる。そして驚いたことに、イスマイルは、他のイスラム学者を何人か誘って参加しているのだ。
神は無学な者を学者たちの教師としたのだ。今、彼らは小グループとして集まり、一緒に聖書を読み、学び、イエスに従うとはどういうことかを見つけつつある。
イスラム世界で、主は不思議な方法で人々を導いておられる。ドリスとイスマイルのようなムスリムが、このような不思議な方法で続々と救いに至るよう祈っていただきたい。