立正佼成会はこのほど、認定NPO法人抱樸(ほうぼく)の「希望のまちプロジェクト」に、千万円の支援を行うことを決定した。10月6日には、同会の関係者らが、同市にある抱樸の事務所を訪問。奥田知志理事長から、同プロジェクトの理念や進捗状況の報告を受けた。その後、奥田氏が牧師を務める日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会を訪問し、支援金の贈呈式を行い、目録を贈呈した。
同プロジェクトは、「助けてと言えるまち」「まちを大きな家族に―家族機能の社会化」「まちが子どもを育てる―相続の社会化」の3つを目的として掲げている。「子どもの居場所と家族支援」「地域生活サポートセンター」「救護施設」「障がいのある人の居場所」「避難所・防災機能」などの機能を備えた複合型社会福祉施設を建設し、それを全ての人にとっての「居場所(ホーム)」として拠点に据え、新たな「まち」を広げていくことを目指す。
施設は4階建てで、1階には地域の人々の交流や支援相談の入り口の役割を果たす大ホールを、上階には要介護認定の段階や障害者手帳の有無を問わない幅広い受け入れが可能な救護施設を備える計画。2023年9月に着工し、24年10月の開所を予定している。
立正佼成会はこれまで、奥田氏を本部施設の講演会に招くなどして、交流を深めてきたという。今回、奥田氏から同プロジェクトについての説明を受け、同会の理念と一致することから支援を決定したとしている。
奥田氏は6日、同会の関係者らに、単身世帯の増加など、人々の生活形態が変化する一方、医療、介護、保健・福祉といった現行の社会保障制度は家族の支えを前提としており、将来、立ち行かなくなる可能性が高く、社会福祉の基盤を家族から地域社会に移す必要があると説明。その上で、同プロジェクトは、他人同士が互いにつながり、支え合う仕組みを地域に広げる役割を担うことが期待されているとし、「北九州での取り組みがモデルとなり、全国各地に『希望のまち』が生まれることを願っています」と語った。
抱樸は、23年3月までに3億円を目標に、同プロジェクトへの寄付を募っており、10月末現在、約1億円の寄付が集まっている。同プロジェクトや寄付についての詳細は、抱樸のホームページを。