イランは近年、世界で最も福音主義が成長している国の一つだ。年率19・6%の成長は、4年で信者が倍増する計算になる。イランの教会は99%以上が、政府非公認の地下教会で、信者の家で集会をする。忠実な信者たちは、危険にさらされながらも命懸けで家の教会を始め、成長させてきた。
教会メンバーが、特にリーダーが逮捕されると、拷問や死に直面することもある。彼らが圧力に屈して教会に関わる他の人々の名を明かすなら、教会員全員の命が危険にさらされるリスクとなる。
リーダーが逮捕されたあるグループに聞くと、「私たち全員が毎日、捕らえられた兄弟のために祈り断食しています。毎晩安全な場所に集まり、互いに祈り、励まし合っています。断食が終わると一緒に食事をし、礼拝し、祈り、聖餐式をします」と答えた。「なぜ毎日聖餐式をするのですか」と問われると、彼らはその深い意味を説明した。
「私たちは、主イエスが私たちのためにしてくださったことを覚えるため、毎日聖餐式を行います。私たちを愛してくださった主は、私たちのために喜んで命を捨てられました(ヘブル12:2)。私たちは主の栄光だけでなく、主の苦しみにもあずかるようにと召されています(ロマ8:17)。聖餐式によって『言っておくが、今から父の御国であなた方と新しく飲むその日まで、私はぶどうの実で造ったものを決して飲むことはありません』(マタイ26:29)と言われた主の言葉を思い出すとき、励ましを受けます。毎日の集まりの聖餐は『これが最後の聖餐かもしれない。しかし、たとえそうであっても、次の聖餐は天の御国で主と共に受けるのだから心配はいらない』と確信を与えます。私たちは感謝して主の死を思い、私たちもまた、主のために生き、主のために死ぬことをいとわないことを確認し、主との契約を新たにするのです」
迫害下の教会に学ぶことは多い。聖餐式は、単に主の犠牲の死を思い出すだけでなく、主ご自身との契約を新たにする時でもある。厳しい迫害下にあるイランの地下教会の守りと、さらなる拡大のために祈っていただきたい。
■ イランの宗教人口
イスラム 37・2%
キリスト教 1・5%
無宗教 22・2%
無神論 8・8%
ゾロアスター 7・7%
ユダヤ教 0・02%