「喜んでいる心は健康を良くし、打ちひしがれた霊は骨を枯らす」(箴言17:22)
ある健康情報誌に載っていた「若さを保つ秘訣」です。
1. 感謝と喜びの心
2. 栄養バランスのとれた食事
3. 毎日30分の軽い運動
4. 自分の年齢をごまかすこと(60歳過ぎたら10歳くらい若いつもりで生活するのが良い)
「若さを保つ秘訣」の第1番目が「感謝と喜びの心」というのは大変興味深いことです。人間の心とからだの老化を促す最大の要因は「過剰なストレス」であるといわれます。「過剰なストレス」は間違った心の態度から発生します。
間違った心の態度は、不平・不満・愚痴・文句・恨み・つらみ・ねたみ・怒りなどの否定的な感情によって醸成されます。これらの否定的な感情の対極にあるのが、感謝や喜びの心です。ユダヤ人の『知恵の書』に「世界で一番幸せな人は感謝しながら生きる人である」とあります。カール・ヒルティも、彼の著書『幸福論』の中で「幸福の最初の条件は感謝である」と言います。
「幸せ」というものに絶対的基準はありません。「幸せ」は持っているものに比例するのではなく、感謝する心に比例するものです。「幸せ」は無いものに目を向けないで、すでにあるものに目を留め、感謝することから生まれてきます。
映画『アマデウス』に2人の天才音楽家が登場します。モーツァルトとサリエルです。サリエルは当時、最高の音楽家でした。モーツァルトが現れる前は、人々の羨望(せんぼう)と尊敬を一身に集め、幸せな人生を送っていました。
しかし、モーツァルトが現れ、彼と比較し始めたときから、彼の人生は幸せの絶頂から不幸のどん底に落ちてしまいます。彼を怒らせたのは、自分が夜通し寝ないで全力を尽くして作曲した作品が、モーツァルトが女性と遊び回り好き勝手なことをしている合間に作った作品に、はるかに及ばないことでした。
サリエルは叫びます。「神よ、どうして私にモーツァルトのような天才的な作曲能力を与えてくれなかったのですか」。結局この感謝を失った彼の心が、彼の人生を破滅へと導いたのです。悪魔は絶えず他人と比較させ、自分に無いものに目を向けさせ、劣等感と不平不満を起こさせ、みじめにさせるのです。
神は私たちに「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことについて感謝しなさい。これが私(神)があなたがたに望んでいることです」と言われるのに、悪魔は私たちにささやきます。「いつも落ち込んでいなさい。絶えず恨みなさい。すべてのことについて不平を言いなさい。これが私(悪魔)があなたがたに望んでいることです」
不思議なことですが、私たちが感謝をしていると、感謝したくなることが次から次へと起こってきます。反対に、不平不満を口にしていると、ますます事態は悪くなっていきます。この世界には、私たちの感謝を喜ばれる神が確かにおられ、感謝する者にさらに幸せを運んでくださるようです。
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