米フロリダ州フォートマイヤーズで4月24日夜、高校生のデマリ・ジャクソンさん(16)が、洗礼を受けたわずか数時間後に銃弾を受け、死亡する事件があった。
ジャクソンさんを撃ったのは、サウスフォートマイヤーズ高校に通うシンセア・トリス容疑者(19)。現在、第2級殺人容疑で警察に拘束されている。米CBS系列の「WINKニュース」(英語)によると、アンドレアス・ガーディナー検察官は27日、事件現場にトリス容疑者がいたのを3人が目撃していると法廷で述べた。
ジョンソンさんが洗礼を受けたロック教会のウェイン・スロス牧師は28日、米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)に対し、ジャクソンさんと直接話はしなかったが、洗礼を授けたジャン・アレクサンドル牧師と話をしたとし、次のように述べた。
「ジャクソンさんが洗礼を受けた日は、朝に8人、夜に1人が洗礼を受けました。ジャクソンさんは、いのちについての神の呼び掛けを感じたのです。礼拝が大規模なため、残念ながら私自身は彼と話すことができませんでした」
スロス牧師によると、日曜日の24日朝は、同教会のジェラルド・ディアス牧師が「鐘を埋める」と題してメッセージを語り、ジャクソンさんを含め礼拝に参加した会衆に、自身の人生を神にささげるよう促した。
「ディアス牧師のメッセージは、何かを望むなら全力で前へ進み、それを手に入れなければならない、そして、もし神との歩みの第一歩である救いに向かって神があなたを呼んでいるなら、それを遅らせてはいけない、というものでした。今日が救いの日であり、明日はどうなるか分かりません。その後、彼が撃たれ、その日の夕方に亡くなったと知ると、このことが信じられないほどに強調されてきました。ショックを受け、いろいろなことが頭をよぎります」
WINKニュースや地元メディア「ニュースプレス」(英語)が、警察の捜査報告に基づき伝えたところによると、ジャクソンさんが撃たれる事件の発端となった争いをしていた少女グループは、数カ月前から互いに抗争を繰り返していたという。トリス容疑者は、フォートマイヤーズのサウスワードビレッジ地区にある公園で、14歳の少女とその家族を車でひき殺そうとするなどした少女グループの一員だった17歳の少女の兄。14歳の少女の母親は争いを仲裁しようとするが、その後自宅へ逃げ込み、それでも少女グループのうちの1人が、母親が逃げ込んだ自宅の窓をたたくなどした。目撃者によると、その後、父親が窓をたたいている少女に対処するため自宅から出てきたところ、トリス容疑者が発砲。争いと直接関係のないジャクソンさんが巻き込まれてしまったという。窓をたたいていたのは、トリス容疑者の妹である17歳の少女であったことが後で分かっている。
ジャクソンさんは当時、2年来の友人で2カ月ほど交際していた16歳の少女と一緒に話をしていた。銃声を聞き、身を乗り出して少女をかばい、走って逃げるよう促す中、ジャクソンさんに銃弾が命中。その後、病院に搬送されたが、死亡が確認された。
ジャクソンさんがロック教会の礼拝に参加するのは、この日が初めてだったという。ニュースプレスによると、ジャクソンさんはほとんど教会に行くことはなかったが、この日は、自身の兄弟やいとこらと共にロック教会に行ったという。