さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。そこで彼らは、断食と祈りをして、ふたりの上に手を置いてから、送り出した。(使徒13:1~3)
本格的な春の到来です。入学や就職など、大切な節目を迎える方もいらっしゃることでしょう。しかし、コロナによって人となるべく接しないのが当たり前となり、子どもたちが仲間と共に歩む経験が乏しいまま成長しているようで、危機感を覚えます。聖書は共に生きる大切さを教えています。今日は、12番目の “シン” である「賑」から恵みを頂きましょう。
聖霊行伝とも言われる使徒行伝は、使徒たちを通して聖霊がどのように働いたのかということが記されています。初代教会の中で重要な役割を果たした2つの教会があります。1つ目はエルサレムの教会。イエスの十字架と復活、聖霊降臨を経験して最初に誕生した教会です。2つ目はアンテオケの教会。迫害によって散らされた人々がイエスの福音を語り、異邦人からクリスチャンになった人々の教会で、世界宣教の拠点となった教会です。4つのポイントを確認しましょう。
1. 神の働きにより集められた人々
初代教会の人々は迫害に遭い、エルサレムの教会から脱出しますが、行く先々で伝道し、共に集まる人々によって教会が建て上げられていきました。このアンテオケの教会には、使徒のバルナバ、黒人と思われるシメオン、国王ヘロデの乳兄姉で身分の高い人であったマナエンなど、さまざまな人が兄弟姉妹として交わっていました。神は人々を集められるお方です。1匹の羊でも探し出し、群れの中に戻してくださるのです。私たちも神のお働きによって集められていることを感謝しましょう。
2. 多様な人々を結び付ける聖霊
教会に集っていた人は、多種多様でした。バルナバは使徒でしたが、クレネ人ルキオは北アフリカ出身の異邦人。迫害者ヘロデの親戚や、反対者だった律法学者もいました。違いだらけの人々が、なぜ集まることができたのでしょうか。その原動力は、私たちを一致させる聖霊の働きによるものです。
3. 信仰の交わりに加えられる大切さ
サウロ(パウロ)はもともとキリスト者を迫害していたため、「イエスを信じて変えられた」と証しをしても皆に受け入れられなかったのでしょう。仕方なく生まれ故郷のタルソに帰り、引きこもっていました。バルナバはそんな彼を探して「一人ではだめだ、仲間に加わりなさい」とアンテオケの教会に連れてきました。また、マルコもまだ若くて未熟だったようですが、アンテオケに連れてきて仲間に加えました。
4. 信仰の一致により行動を起こす
そして、彼らは信仰の行動を起こしていくのです。アンテオケの教会の人々は聖霊に促され、バルナバとパウロを送り出します。そこから世界への伝道が始まったのです。私たちも神の交わりの中に加わると、桁違いの素晴らしい恵みを頂けるのです。
神は人々を一つ所に集め、聖霊による一致を与え、励まし、行動を起こせるようにしてくださいます。私たちの信仰生活も自分一人で納得し、孤立したもので終わってはいけません。キリストの愛と救い、聖霊の賑わいのある場所に集いましょう。そして、その喜び、楽しさ、恵みを頂いて共に行動していこうではありませんか。
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