COVID-19の流行と中国共産党(CCP)による迫害の中、一つの逃げ道としてオンライン集会とその礼拝説教に頼ってきた非公認の家の教会は、3月1日にCCPが発効する強硬措置によってその選択肢が奪われることとなった。
昨年の12月20日にCCPが発表した内容によると、すべてのソーシャルメディア上のプラットフォームと独立メディアにおける宗教に関するすべてのコンテンツ(言葉、画像、動画のすべて)は、政府の認可を受けなければならない。
当局の認可を受けていない場合、インターネットサービスが停止することになる。また、個人や組織が公式なライセンスなしに宗教イベントを投稿した場合、CCPによる国民評価制度において、社会的信用スコアのない者として分類され、著しく社会活動が制限を受けるのだ。
CCPが公認するのは、三自愛国運動(公認プロテスタント教会)、中国天主教愛国会(公認カトリック教会)、仏教、イスラム教、道教の5つで、これらの宗教団体だけがライセンスを申請できる。
弁護士のファン氏は「この措置が発表されると、WeChat(中国の最大手SNS)上にあるキリスト教やその他の少数派宗教グループは、慌ただしくその宗教的なグループ名を変更するかグループ自体を削除した。この新しい規制を実施することは、中国憲法で保護されている言論と宗教の自由を厳しく剥奪し取り締まることになる。また、この法律は、中華人民共和国憲法に違反するだけでなく、中国政府が締結した国際条約にも違反する。ネット上では、国家安全局員が信者に電話をかけ、ネット上で信仰について話したり、宗教的な文章を投稿したりするなと脅迫してきたという報告があふれている」と WeChat 上で指摘したが、彼の投稿自体も数時間後には削除された。
3月1日以降、ライセンスを受けた5つの公認宗教セクトで、認可を受けた説教やリソースは発信できるが、その内容が「中国化」されており、党を支持し、社会主義体制を礼賛促進しているか、あるいは布教のための手段でないかを当局にチェックされることになる。
CCPはすでに、彼らに都合の良い中国化された独自聖書の翻訳に着手しており、これだけを公認聖書として認め、リリースする準備も進めている。
例えば、昨年高校の教科書に載ったCCPの聖書では、ヨハネ8章の姦淫の現場で捕らえられた女の話が大きく改ざんされている。CCPの聖書では、一人残されたイエスが、女に「私も罪人だが、法を犯すことは決して許されない」と述べ、女を石打ちにしたとされている。これは決して新しい翻訳聖書などではなく、CCPに都合の良い創作物に他ならない。神の言葉を大きくねじ曲げるCCPの所業は、もはや悪魔的だと断じざるを得ない。
テクノロジーによる監視社会が急激に進む中国は、まさに “ディストピア” の様相を強めている。しかし、中国の兄姉たちがたとえ鎖につながれていようとも、“神の言葉は、決してつながれてはいない” のだ。
このような困難な状況にあって、1億人以上といわれる中国の同胞兄姉たちが立派に福音宣教の使命を果たすことができるように祈っていただきたい。
■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 16%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%