東京新聞のオンライン版「TOKYO Web」にある科学・教育用のページ「NIEことば」に、研究者になりたいが聖書を読むべきかという質問が寄せられ、翻訳家の里中哲彦氏(河合文化教育研究所研究員)が、聖書は「研究者には必読書」だと回答した。
質問をしたのは、19歳の男性。「将来、英米文化を研究する学者になりたいと思っています。聖書はやはり読んでおくべきでしょうか?」と尋ねた。
里中氏は、「英米社会においては、聖書と日々の暮らしはきってもきれない関係」にあると指摘。米大統領の就任宣誓や、法廷での「I swear on the Bible, that I will tell the truth and nothing but the truth.(私は真実だけを述べることを聖書に誓います)」という宣誓などを例に挙げ、「聖書の知識がないと、そこに込められた意味や隠された意図がわからないということが往々にしてある」と語った。
また、手元にあったという米ニューズウィーク誌を取り上げ、そこにも聖書に由来する「an olive branch(オリーブの枝=「和解の申し出」の意)」があると述べ、「学者を目指すあなたにとって、聖書は必読の書です」と語った。