12月10日夜から11日にかけて米国南部や中西部で少なくとも50の竜巻が発生し、ケンタッキー州など複数の州に、およそ200マイルにわたって被害を及ぼした。
竜巻は90人の尊い命を奪った。中でもケンタッキー州の被害は甚大なものとなった。同州に住むジョーダン・ベイズ氏の家も被害を免れず、竜巻は一夜にして彼の家をことごとく破壊してしまった。特にクリスマスまであと数週間という時期だっただけに、人々の喪失感と心の痛みは計り知れないだろう。
しかし、ジョーダン氏は悲しみと絶望に打ち負かされることを拒否した。彼は、屋根が吹き飛ばされ、破壊し尽くされた自宅の居間に残ったピアノを弾き始めたのだ。妹のホイットニーは、ピアノの音色に気が付き、彼が演奏している様子をこっそり撮影した。彼女はそれを自身のフェイスブックに投稿して「今日、兄が見せてくれた愛に、私は圧倒されています。兄は家を失いましたが、感謝なことに家族は全員無事に脱出しました。私は兄の寝室で使えるものを選別していたのですが、最も美しい音を聞きました。"音楽" です」とコメントし、「すべてが破壊され、ピアノは水に浸かり、鍵盤が欠けていました。兄は、私が撮影していることを知らず、それでも彼は、自分の賜物を使って、自分の知る限り最高の方法で神をたたえたのです」と付け加えた。
彼女の投稿した動画が多くの人々に見られ、励ましのメッセージとなって届いているのだ。悲劇が起こった直後にジョーダンがとった最初の反応は、神に疑問を呈したり非難するのでもなく、主を賛美することだった。
私たちの信仰は、嵐のない安楽な人生を保証しない。しかし、何があってもどんなときでも、神は善い神であり、神は愛なのだ。少なくとも私たち信仰者は、これを信じることができる。
今回の竜巻で大きな被害に遭った人々に神の慰めがあるように、また彼らが、福音が指し示す希望によって立ち上がり、ジョーダン・ベイズ兄がそうであったように、むしろ多くの人々の励ましとなるように祈っていただきたい。
■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%