【CJC=東京】パレスチナ自治区ガザで、イスラム原理主義組織ハマスに対するイスラエル軍が1月1日、警察署を狙った際、街路の向かい側のバプテスト教会も被災、数十人が犠牲となった。教会は、窓は吹き飛ばされるなどほぼ全壊状態。
ガザではキリスト者は少数派で、イスラエルとハマスの交戦の狭間に置かれていることが国際的な懸念を呼んでいる。
イスラエル政府は、世界で最も人口が密集している地域の一つであるガザへの空爆では、民間人の犠牲者を避ける努力をしてきたものの、イスラエルへのロケット攻撃を止めない限り、ハマスを目標とし続ける、と言う。
米の信仰抑圧監視団体『オープン・ドアーズ』のカール・メラー会長は、教会被災に失望を表明、今や破壊の核心にいることは明白だとしている。
教会のハナ・マサド牧師は、退去を強制された。パレスチナ聖書協会の従業員は、ヨルダン川西岸地区に脱出した。ガザの人口約170万の中で、キリスト者は数百人から最高でも3000人以下と激減している。礼拝も家庭で少人数で行うしかない。
イスラエル政府は1月2日、地上侵攻を控えて、外国のパスポート保持者にガザ地区退去を認めることを明らかにした。
パレスチナのキリスト者は、イスラエルにもまた市民にも政治的に受け入れられない。「イスラエルの基準では、彼らはパレスチナ市民」であり、ハマスなど原理主義的なイスラム教基準では、キリスト者は部外者なのだ。「そこでキリスト者は正に文字通りに双方からの砲火にさらされることになる」とメラー氏は言う。「教会の地位は不安定で、信者が物質的な援助を受けることは非常に難しかったが、交戦の中では全く不可能になった」。
「しかし、教会がもろい存在で無防備であるという不安定な性質であるからこそ、私たちは、そこのキリスト者が、生存のために必要とする食糧、衣類、医薬品などを送り届けなければならない」とメラー氏は、宣教専門通信ミッション・ネットワーク・ニュースに語っている。