ジョー・バイデン米大統領は29日、バチカン(ローマ教皇庁)で教皇フランシスコと会談し、「聖体拝領を受け続けるべき」と言われたと語った。
バイデン氏はカトリック信者であるものの、中絶を擁護する立場から、カトリック教会内の保守派からは厳しい批判を受けており、バイデン氏に対する聖体拝領を禁止すべきだとする声も上がっている。
AP通信(英語)などによると、バイデン氏は記者団の質問に答え、会談では中絶の問題に話が及ぶことはなかったと説明。「私たちはただ、私が善良なカトリック信者であることに教皇が満足していること、また私が聖体拝領を受け続けるべきことについて話した」と語った。
バチカンの報道官は、教皇の私的な会話についてはコメントしないとし、バイデン氏の聖体拝領に関する発言についてコメントを否定。聖体拝領に関する議論を行っている米国カトリック司教協議会もこれまでのところ、バイデン氏の発言についてコメントは出していない。
一方、米CNN(英語)によると、会談で米国カトリック司教協議会について教皇と話したかを尋ねられたバイデン氏は、「それはプライベートな会話だ」と述べ、コメントを避けたという。
米国史上2人目のカトリック信者の大統領であるバイデン氏はこれまで、教皇とは3回会談しているが、大統領就任後に会うのは今回が初めて。今回は、バラク・オバマ氏やドナルド・トランプ氏ら前任者よりも長い、75分の長時間にわたって会談したという。
ホワイトハウスの発表(英語)によると、バイデン氏は、世界中の貧困に苦しむ人々や、飢餓や紛争、迫害に苦しむ人々のために提言活動を行っている教皇に感謝の意を表明。気候変動問題に対するリーダーシップや、新型コロナウイルスのパンデミック収束に向けた提言活動についても称賛の言葉を贈った。