津田塾大学は1日、第11回津田梅子賞の受賞者を評論家の樋口恵子氏(89)に決定したと発表した。
同賞は、同大創立者でクリスチャンの津田梅子(1864~1929)のパイオニア精神にちなみ、女性の可能性を広げる取り組みを行っている個人や団体、先駆的な活動を展開してきた女性らに贈られる。同大創立110年の2010年に創設され、今年で11回目。これまでに元マラソン選手の有森裕子氏や国境なき医師団日本元会長の黒﨑伸子氏らが受賞している。
樋口氏は1983年、仲間と共にNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」を設立。男女雇用機会均等法(85年)の制定前から、女性全体の地位向上や男女間格差の是正などを訴え続け、選考委員会は「高齢社会の到来を見据え、さまざまな視点からの情報発信、政府への提言などを行ってきた」と評価した。
贈賞式は、10日午前10時から同大小平キャンパスで開催される「津田梅子記念会&ホームカミングデー 津田塾大学創立120周年記念式典」内で行われ、式典の模様はユーチューブでライブ配信される。
樋口恵子(ひぐち・けいこ):1932年東京都生まれ。56年、東京大学文学部美学美術史学科卒業。東京大学新聞研究所本科修了後、時事通信社、学習研究社、キヤノンでの勤務を経て、フリーの評論家に。高齢社会をよくする女性の会理事長、東京家政大学名誉教授、同大女性未来研究所名誉所長、高齢社会NGO連携協議会共同代表。著書に『老いの福袋』『老ーい、どん!』『サザエさんからいじわるばあさんへ』など。