英国国教会のエブスフリート主教がこのほど辞任し、カトリック教会への転会を決めた。
カトリックへの転会を決めたのは、これまで8年にわたりエブスフリート主教を務めてきたジョナサン・グドール主教。エブスフリート主教は、2管区に分かれる英国国教会のカンタベリー管区において、同管区の西側地域を担当する巡回主教。巡回主教は「空飛ぶ主教」の異名を持ち、神学的信念に基づき女性主教や女性司祭の下にいることを拒む司祭や信徒、小教区を担当する。グドール主教自身も女性主教に反対の立場で、これまで同じ考えを持つ人々のために奉仕してきた。
グドール主教は、「私は人生で最も試練の多い長い祈りの期間を経て、ローマ・カトリック教会とのフルコミュニオンを受けるために、エブスフリート主教を退くという決断に至りました」と述べ、次のように語った。
「英国国教会での生活は、何十年にもわたって、カトリックとしての(キリストの)弟子たる在り方を形成し、養ってきました。この教会は、私が最初にキリスト教の生活と信仰の秘跡的な恵みを受けた場所であり、司祭や主教として半生を過ごし、奉仕してきた場所でもあります。私はこのことをいつも大切にし、感謝しています」
「私がこの決断をしたのは、神の現在の召しと招きに『イエス』と言うためであり、私が深い恩義を感じている英国国教会で知り、経験したことに『ノー』と言うためではないと皆さんが信じてくれることを、私は信じています」
カンタベリー大主教は「残念」だとしつつも、辞任を受領するとし、次のように述べた。
「私は、グドール主教の働きと長年の誠実な奉仕に深く感謝しています。私の祈りは、グドール主教と(妻の)サラと共にあります。グドール主教の今後の働きのために、そしてキリストへの献身的な奉仕の旅を続ける中で、彼らが求められている方向のために」
後任のエブスフリート主教やグドール主教が担当していた小教区などに関しては今後、他の教役者などと協議した上で決定する予定だという。