英国のトニー・ブレア前首相が英国国教会からカトリックへ改宗したことが22日、関係者の話で分かり、同日英国の各メディアが一斉に報じた。ブレア氏の妻子はカトリック信者で、子どももカトリック系の学校に通っており、ブレア氏も日曜日の礼拝はカトリック教会でささげることが多かったという。
カトリック教会が発表した声明によると、ブレア氏は21日夜に行われたミサで改宗した。AP通信によれば、同教会は声明で「トニー・ブレア氏をカトリック教会に迎え入れることを非常に嬉しく思う」と同氏の改宗を歓迎した。
ブレア氏は退任直前の今年6月に、バチカンでローマ教皇ベネディクト16世と会見しており、やがて改宗するのではないかという見方があった。また、同氏の首相時代はカトリック、プロテスタントが対立する北アイルランド紛争が大きな課題であったため、自らの信仰を語ることができなかったとの見方もある。
AP通信によれば、ブレア氏は今年放送されたBBC番組内で、首相を務めた約10年間は、「おかしな人」というレッテルを貼られないよう、信仰についての話題は避けてきたと語っている。
英国国教会が主要教派となる英国で、有力政治家がカトリック信者となる今回の例は珍しい。