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一矢の祈り 佐々木満男

2021年9月1日13時40分 コラムニスト : 佐々木満男
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1. 車椅子の女の子の癒やし

「う~っ、う~っ、う~っ」

行きつけのスターバックスで聖書を読んでいたとき、いつも一人で来ている車椅子の女の子が、大きく体を捻じ曲げ苦しそうに唸り始めた。彼女は全身まひで、コーヒーを飲むにも大変な動作が必要だった。すぐに女性の店員が駆けつけて「大丈夫よ、すぐ直るからね」と励ましながら、15分以上も彼女の背中をさすってあげる。10年近くこんな光景を月に1、2回見かけてきた。ある時、あまりにもかわいそうなので、思わず「主よ、どうぞこの女の子のまひを癒やし、車椅子から解放してあげてください」と心を込めて祈った。

数日前のことだった。なんと、彼女が車椅子なしで店の椅子に一人で座っていたので、非常に驚いた。車椅子を探して見まわしたが、どこにもない。しばらくして、父親らしき男性が入ってきて、彼女と手をつなぎ、うれしそうに2人で出て行った。まひは少し残っていたが、彼女はしっかり歩いていた。その後ろ姿を見ながら、心から感動した。

2. ビザの更新と魂の救い

ある時、中国人のビザの案件を扱った。日本語学校に通っていた彼が事件を起こしたため、日本滞在のビザ更新が拒絶されてしまった。入国管理局に行って交渉したがだめだった。中国の親戚縁者から資金援助を受けて日本に来た彼は、中途で帰国するわけにはいかない。「こんなことで帰国するなら、死んだ方がましです」と、悲嘆にくれていた。ちょうど教会に行き始めたというので、中国語の聖書を渡し、「ヨハネ16:24を暗記して、ビザ更新が認めてもらえるように祈りなさい」と言うと、「分かりました、毎日必死に祈ります。もしビザが更新されたら、洗礼を受けます」と答えてくれた。

その中国人と一緒に入国管理局で手続きをしていたときに、日本語学校で彼の担任をしていた若い教師が付き添ってくれた。非常に無口な青年で、一言二言あいさつを交わしただけで完全に沈黙してしまった。私は時間を持て余し、「主よ、この青年がキリストを信じて、福音の教師になりますように」と彼の救いを真剣に祈った。

その後、奇跡的にビザが更新され、約束通り中国人は喜んで洗礼を受けた。実は、その洗礼式に日本語学校の教師も参加したところ、その場でキリストを信じて救われた。その教師は、その時に教会で出会った女性と結婚し、後に牧師になり、今では聖書を教えている。

3. 一矢(いっし)の祈り

「『一矢の祈り』って知っていますか?」ふと、年配のクリスチャンからこう尋ねられたことを思い出した。「心を込めた祈りは、たった1回でも神様に届きますよ」。これがその人の口癖だった。キリストも、同じことをくどくど祈らず、癒やしにしても、悪霊の追い出しにしても1回しか祈っていない。「そうか、あの1回の祈りを神様がかなえてくださったのだ!」と実感した。

このように、心の思いを込めた祈りは、天に向かって矢のように放たれ、たった1回の祈りでも、一直線に天の父の身元に到達する。もちろん、1回しか祈ってはいけないということではない。祈りの本質は神との霊的な交わりである。だから、絶えず祈り、また時には、ひたすら祈り続けるべきである。(1テサロニケ5:17、コロサイ4:2)

「今までは、あなたがたはわたしの名によって求めたことはなかった。求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。そして、あなたがたの喜びが満ちあふれるであろう」(ヨハネ16:24)

◇

佐々木満男

佐々木満男

(ささき・みつお)

弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL. M)。インターナショナルVIPクラブ東京大学顧問。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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