6月18日に、反米タカ派と目されるライシ氏がイランの新大統領に選出された一方で、対立関係にあるイスラエルでは13日、中道左派を取り込んだ形の連立により、60対59の僅差で、12年もの長期政権を担ったネタニヤフ政権に終止符が打たれ、右派国家主義者のナフタリ・ベネット氏が首相として就任した。
新政権は、長期政権によって汚職疑惑の付きまとった “反ネタニヤフ” の一点を共通目的としており、連立の政権基盤としては極めて不安定と言わざるを得ない。
現にベネット連立政権には、パレスチナと関係の深い少数派アラブ政党も含まれており、パレスチナ独立に反対の意を唱えているベネット首相にとっては、政党間の調整手腕が余儀なく求められることになる。
ベネット氏は、強力な右派にしてタカ派であったネタニヤフ政権下で防衛大臣を務めていたこともあり、イランに対する強硬な立場で前政権とスタンスを共有すると見られる。
また、前ネタニヤフ政権は米福音派と良好な関係を築いていたが、ベネット政権の新外相ヤイル・ラピド氏は福音派との良好な関係を築くことができると楽観視している福音派関係者の声もある。
世界の火薬庫といわれる中東情勢の安定と宣教のため祈っていただきたい。
■ イスラエルの宗教人口
ユダヤ教 75・4%
イスラム 16・7%
プロテスタント 0・4%
カトリック 1・0%
英国教会 0・02%
正教会 0・6%