英国メソジスト教会は同国中部の都市バーミンガムで開催した年会で、同性婚への祝福を承認し、結婚を伴わない同棲も容認することを決議した。
6月30日に発表された声明(英語)によると、2019年の年会で、結婚と人間関係に関する報告書「愛の神が私たちを結び付ける」が受理され、各教区会議は同性婚などに関する暫定議案を検討した上で、検討結果を今年の年会に報告するよう求められていた。
今年の年会では、全30教区会議のうち、29教区会議が暫定議案を支持したことが報告され、審議の結果、牧師が同性同士の結婚式を執り行うことや、教会がそのようなサービスを提供する場所となることを賛成多数で承認した。
今年の年会で新議長に選出されたソニア・ヒックス牧師は声明で、同議案をめぐる議論は「恵みと相互尊重の下に行われた」と強調。「私たちの教会のこの歴史的な日の後、共に前進していく中で、私たちは引き続きお互いに祈りをささげ、お互いの違いを尊重しながら支え合っていくことを忘れてはなりません」と語った。
年会ではこのほか、公的な結婚に基づいた同棲だけでなく、「非公式な同棲」においても「神の愛が存在することを認識する」とする議案を承認した。同議案は、たとえその恵みが認識しづらいとしても、教会は「このような状況において神の愛が存在することを祝福したい」とし、「教会には、そのような関係の中に神の愛が存在することを指摘し、人々が(どのような手段であれ)その誓いを新たにしたり深めたりすることで、それに応えるように促すという重要な使命がある」としている。
この決議に反対したグループ「メソジスト・エバンジェリカル・トゥギャザー」の議長であるデビッド・ハル牧師は、「英国メソジスト教会にとって非常に悲しい日」と語った。ハル牧師は英プレミア・クリスチャン・ニュース(英語)とのインタビューで、「私たちがここまで来た道のりを見ると、本当に胸が張り裂けそうになり、多くの人は涙を流しました」と伝えた。
「このような投票にもかかわらず、イエス様が人生に対してユニークなビジョンを提供していることを信じるメソジスト信者はたくさんいます。それは聖書に深く根ざしたものであり、世界がこれまでに知っていたものよりも、また世界がこれから知るものよりも優れたものであり、その中にはこの結婚と人間関係に関する教えも含まれています」
一方、この決議を支持する声も多くあり、同性愛者の聖公会福音派活動家であるジェーン・オザンヌ氏はツイッター(英語)で、「(英国メソジスト教会の)年会が、教会での同性婚を認めることに圧倒的な票を投じたことに、とても感激しています」と投稿。「これは英国のキリスト教の考え方が大きく変化したことを反映しています」と続けた。