クロアチア政府によって設けられた、途上国のキリスト教徒の若者らを対象とする奨学金の応募に、申し込みが殺到している。6月14日時点での応募者数は、アジア、アフリカ、中東の国々から、5500にも及ぶという。
この奨学制度は、クロアチア政府が約20万ユーロ(約2620万円)を計上し、キリスト教信仰のために迫害されている途上国の若者らが、クロアチアの大学や大学院で学ぶことができるように設定されており、留学生らが知識を身につけ、帰国後には、民主的で寛容なコミュニティーの形成に貢献できるようになることを目指したものだ。
この取り組みが実現したのは、独立系議員のマリヤナ・ペティル氏が昨年の11月、クロアチア国会に提出した修正予算案が承認されたためだ。今回、彼女の呼び掛けにより、予算をはるかに超える5500人もの応募が集まった。
ペティル議員は「3カ国に1国の割合で信教の自由が侵害されており、世界人口の約67パーセントに当たる52億人が、信教の自由が深刻に制限されている国に住んでいると推定されている」と述べている。一部のNGOからは、キリスト教徒の学生だけに援助が割り当てられることに対して「人道的援助は差別的に行われるべきではない」との批判もあったが、これに対してペティル氏は「残念ながら、彼らは世界で最も迫害されている宗教グループなのです」と応じた。
このように素晴らしい奨学制度は、豊かな西側諸国においてさらに広く実施されるべきだろう。
被迫害国のキリスト教徒の留学生らが、クロアチアのみならず、先進各国で十分に受け入れられ、いつの日にか、母国の民主化と自由のために貢献できる人材として育成されるよう祈ろう。また、それによって、留学生らが帰郷するそれぞれの地で、宣教が拡大するよう祈っていただきたい。
■ クロアチアの宗教人口
カトリック 87・5%
プロテスタント 0・8%
イスラム 1・9%
ユダヤ教 0・1%