三浦綾子の小説を原作にした映画「われ弱ければ 矢嶋楫子(かじこ)伝」(来年1月公開予定)を製作している「現代ぷろだくしょん」(東京都新宿区)が、映画に出演する外国人女性宣教師役を募集している。
募集しているのは、主人公である女子学院初代院長の矢嶋楫子に大きな影響を与えた米国出身の女性宣教師ミセス・ツルー役。当時まだ未信者だった楫子を、自身が携わっていたミッションスクール「新栄女学校」(後の女子学院)の校長として起用。楫子は喫煙者でもあり、他の教師たちは困惑した様子を見せるが、ミセス・ツルーは聖書の授業を担当させるなどし、楫子自らが変わっていくよう神に委ねる。楫子はその後、自身の喫煙がもとである「事件」を起こすが、叱責することのないミセス・ツルーの姿勢、また聖書のメッセージに触れ、その後洗礼に導かれることになる。
ミセス・ツルー自身はニューヨーク州の小さな村の出身で、25歳で結婚するも、7年で夫と死別。日本に福音を伝えたいと毎晩祈っていた夫の遺志を受け継ぎ、宣教師として来日したのだった。
メガホンを執るのは、現在89歳と日本最高齢の女性映画監督として知られる山田火砂子(ひさこ)監督。自身もクリスチャンで、これまでも日本の著名なクリスチャンの生涯を幾つも取り上げてきた。「明治・大正という、女性が一人の人間として尊重されることのなかった時代に、女子教育に力を注ぎ、女性解放運動に生涯をささげた矢嶋楫子。その素晴らしい生き方が、一人でも多くの人の力になればと願いつつ映画製作を進めています。楫子の友となり、力を与えたミセス・ツルーの役を募集しています。ぜひご応募ください」と呼び掛けている。
撮影は8月から9月にかけて行われ、ミセス・ツルーが登場する場面は主に東京で撮影する。対象は30~50代の欧米系の外国人女性で、実際の宣教師からの応募があれば優先する。出演料や撮影日程など詳細に関する問い合わせ・応募は、現代ぷろだくしょん(住所:〒161-0034 東京都新宿区上落合2-22−23 上落合ハイツ409号、電話:03・5332・3991、メール:[email protected])まで。応募の場合は、写真付きの履歴書を同封すること。