貧困や労働問題に取り組み、「貧民街の聖者」として世界的に知られるキリスト教社会活動家、賀川豊彦(1888〜1960)の生涯を描いた朗読劇「賀川豊彦物語」が14日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で上演される。朗読する俳優の水澤心吾(みさわ・しんご)さんは、「賀川の生きざまを通して、彼が最も伝えたかった『大きな味方』の存在を知ってほしい」と語る。
水澤さんは、NHK朝のテレビ小説、大河ドラマなど、テレビ・映画・舞台を中心に活躍。演者としての苦悩、挫折を経験する中で、クリスチャンであった杉原千畝の影響を受け、自らも信仰を持った。杉原の生涯を描く一人芝居「決断 命のビザ」をライフワークとして演じるほか、最近では信仰者の生涯を描いた朗読劇にも挑戦している。朗読劇のレパートリーはすでに10作品となり、海外での公演も行っている。
賀川の生きざまは、イザヤ書の次の箇所に集約されると水澤さんは捉えている。「わたしの口から出るわたしの言葉も、むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず果たす」(イザヤ55:11)
「賀川は、この世の貧しい人々を救うという一つの使命に生きて、日本社会に強いインパクトを残してそれをやり遂げました。その根底には、イエス・キリストの父なる神様への信頼がありました」
水澤さんは、コロナ禍で孤独になり、人生に思い悩んでいる人に、賀川の生涯をかけたメッセージが大きな変化をもたらすと確信している。「賀川と同じく、私たちにも例外なくこの『大きな味方』がいて、試練や困難の中でいつも私たちを助けようとされています。自分ですべてを解決しようとせずに、一度立ち止まって、この賀川の生涯からあなたのために大きな力になってくれる方を見つけてほしい」と期待する。
入場無料(席上自由献金あり)。開演は午後1時半(開場同1時)。新型コロナウイルスの感染症対策のため、マスク着用、手指洗浄消毒、検温、3密回避座席への協力をお願いしている。問い合わせは、淀橋教会(電話:03・3368・9165)。