日米でアートミニストリーを展開し、福音を伝える兵庫県在住のクリスチャン画家、山田桂子さん(米ロサンゼルスぶどうの木国際教会会員)の絵画作品「雪月風花」が、第74回姫路市美術展(姫路市など主催)に入選した。作品は他の入賞・入選作品と共に、姫路市立美術館で17日から展示される。山田さんは、「コロナで大変な今、この作品が少しでも皆さんの励ましになれば」と話す。
兵庫県で生まれ、9歳から海外で育った。米カリフォルニア州立大学在籍中に信仰に導かれ、卒業後はCru(キャンパス・クルセード・フォー・クライスト=CCC)のフルタイムスタッフとして米国や日本をはじめ、韓国、台湾、タイなど、さまざまな国での宣教活動に携わった。
大学ではクラシックピアノを専攻。昔から絵を描くのは好きだったが、ある時、友人にお祝いの絵をプレゼントして喜ばれたのがうれしく、その後も描き続けた。「その頃、まさか数年後には画家として歩んでいるとは思ってもいませんでした」。絵は次第に、山田さんにとって言葉にできない「祈り」を表してくれる大切なツールになっていった。
当初は音楽を使っての宣教を夢見たが、自分ではなく主に栄光を帰すために、祈りのうちに一度はその夢を手放した。しかし、宣教活動でバーンアウトを経験し、自身の信仰を深く見つめ直す中で、再び音楽を使う宣教の働きに導かれていった。現在は、絵と音楽を融合して福音を伝えるユニークな活動に取り組んでいる。
入選した作品は、2年前に山田さんが描いた作品と関連している。「2年前に同じく四季を彩った木を描きました。その絵は、私がCruのスタッフ、宣教師として歩んできた旅を描いたものでした」。祝福が誰の目にも明らかな春、働きが活発な夏、変化を表す秋、そして孤独や試練を表す冬。ヨハネの福音書15章4節にあるように、あらゆる「季節」においてキリストにとどまり続けるようにとの呼び掛けを表現した。
「宣教の現場で自分がひどく臆病になってしまう中で、主はいろいろな方々に出会わせてくださり、たくさんの癒やしと励ましを受けることができました。『雪月風花』は2年前の作品と違い、四季を彩った木を2本描いています。それは、私たちが通った試練の道をすべてイエス様が知っているだけでなく、実際にそのような道をイエス様が生きてくださったことを表しています」
今回の作品には、イエスが捕らえられる直前にペテロを励ます言葉「しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。だからあなたは、立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」(ルカ22:32)が深く根付いているという。
「イエス様は、ペテロに語られたことを私たちにも語っておられます。私たちも、自分と同じような道を歩む人々と出会い、分かち合い、主の中で祈り、癒やすことができるのです。主によって立ち直らせていただいた私も、絵と音楽を通して御言葉にある真実を語りつつ、あらゆる人々を力づけることができたらと願っています」
姫路市美術展は、兵庫県で最も歴史のある美術展の一つ。昨年度は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、一昨年は日本画、油彩画をはじめ、彫塑(ちょうそ)・立体、工芸、写真、書、デザインの7部門の入賞・入選作品206点が展示された。展示期間は17日から2月7日まで。午前10時から午後5時、月曜休館。観覧料は無料。姫路市立美術館へのアクセスの詳細はホームページを。山田さんの活動についての詳細はこちら。