カトリック東京大司教区は1日、「聖ピオ十世会」について、同大司教区とは「一切関係のない団体」とし、「信徒が同会のミサに参加することは、現時点で推奨することはできませんので、信徒一人一人が信仰者としてのふさわしい判断をされることを望みます」と公示した。同教区が管轄下にある東京都と千葉県での公開ミサを中止していた2月27日から6月20日までの間に、同会の司祭が東京都内でミサを行っていたことを受けてのもの。
同会は1969年に故マルセル・ルフェーブル大司教が設立したが、第2バチカン公会議の決定に従わない立場を表明。88年にはルフェーブル大司教が教皇ヨハネ・パウロ2世(当時)の意向に反して司教4人を叙階したことで、ルフェーブル大司教と叙階された4人は破門とされた。叙階された4人の破門は2009年に解消されたが、教皇ベネディクト16世(当時)は、教義上の問題が解決しない限り、同会の聖職者は適法に使徒職を果たすことができないと明示していた。
東京大司教区の菊地功大司教は同会について、9月1日付の駐日バチカン(ローマ教皇庁)大使館からの書簡により、バチカン教理省から「現時点ではカトリック教会において法的身分を有しておらず、同会の聖職者は、教会法上の制裁から解放されているとはいえ、教会において適法に使徒職を果たすことができない」との回答があったと報告。「従って、カトリック東京大司教区において、同会の聖職者は適法に使徒職を果たすことができません」とした。