コロナ禍で沈みがちな心にゴスペルとお笑いで元気を届けようと、神奈川県茅ヶ崎市発のお笑いライブ「チガワン」(茅ケ崎−1グランプリ)とコラボして「湘南ゴスペルフェスティバル2020」(同実行委員会主催)が21日、茅ヶ崎市民文化会館小ホールで開かれた。実行委員の一人で、プロダクション人力舎出身のお笑い芸人でもある主イエスの恵み教会(茅ヶ崎市)の小池早苗(マルセまゆみ)牧師は、「お笑いをします!ということで興味を持って来てくださった方がたくさんいらっしゃいました。一般にお堅いイメージを持たれがちな教会ですが、本当は喜びがあって楽しい所だということが伝わってよかったです」と話した。
参加人数はコロナの影響で収容定員の半分に制限されたが、教会関係者以外の市民が来場者のおよそ半数を占めた。主イエスの恵み教会で結成されたゴスペルクワイア「Jesus Grace Church Choir」をはじめ、牧師家庭育ちの3人娘バンド「EIMS」、けやき坂46(現・日向坂46)など人気アーティストにも楽曲を提供するシンガーソングライターの Kaz Kuwamura さんらがゴスペルのオリジナル曲などを披露。曲の合間には、聖書に書かれているゴスペル(福音)の意味をそれぞれの言葉で伝えた。
Kaz Kuwamura さんはゴスペルについて、「音楽(のジャンル)というよりも、歌詞に込められたメッセージや、誰に向かって歌っているか、そういうものが本質」と説明。聖書の語る神に向かって歌うのがゴスペルであり、誰かを傷つけたくなくても傷つけてしまうような弱さを抱える人間とは違い、「聖書が言っている神様は、絶対裏切ることはないと書いてある。それが、僕がゴスペルを、心を込めて歌える最大の理由の一つ」と語った。
「人生で何か迷ったときに最優先順位になるのは、あなた(神様)が聖書の中に書いている言葉。すごくしんどい選択肢だけどこれを取ります、という生き方みたいなものがクリスチャン」と信仰を証しし、「神様に向けて歌いたい」とオリジナル曲「You're the best」を披露した。
チガワンとのコラボステージでは、茅ヶ崎市役所の現役職員でチガワンを主宰するお笑い芸人のJaa(じゃー)たけやさんと、「R−1ぐらんぷり2018」で準々決勝に進出した若手芸人のきのさんがノンクリスチャンのゲストとして出演。Jaaたけやさんは、サザンオールスターズのデビュー曲「勝手にシンドバッド」の歌詞を一部替え、茅ヶ崎の魅力や豆知識を紹介する歌ネタを披露して会場を沸かせた。
また、ホリプロお笑い第1期生で「ホリプロ笑売塾」講師の佐伯玲子さんが指導する湘南爆笑塾の生徒らによるお笑いグループ「湘南爆笑隊」が漫才とコントを披露。ドラマパロディ「M愛すべき人がいた!?」では、臆病な性格ながらトップアイドルを目指す香子(かこ)と敏腕プロデューサー「ミックス・ミノ」との支離滅裂なやりとりを中心に、意味不明な2人のアイドル候補生、ニューヨークからの不審な「一流」女性トレーナー、さらにはミノに私怨を抱く謎の女まで加わり、予想もできない展開とキレのある迫真の演技で独特の世界観を炸裂させ、会場は爆笑の渦に包まれた。
小池牧師は、「恐れや不安の多いこういう時だからこそ、教会が喜びや楽しみを発信していきたいと考えました。出演者も裏方も、教会のメンバーがそれぞれ生き生きと賜物を発揮できたことで、主のよさを体験し、皆が一致して主を賛美できたことは大きな収穫でした」と語った。