聖書をどのように生きるか。私たちにとって、生きるということは一つの大きな事業です。この大事業をどのように管理していくか。たとえビジネスをしていなくても、私たちは例外なく大実業家といえるのです。ですから「ビジネスと聖書」はあなたへのメッセージです。共に考え、共に変えられ、最大限の幸せを手に入れてまいりましょう。
1. 夫婦げんかの原因はここにあった
国際結婚の私たち夫婦は、多くの違いを乗り越え、今日までよくも離婚せず24年間続けてこられたなと我ながら感心します。文化の違い、習慣の違い。同じ日本人同士でも隣の家のみそ汁の味と我が家の味の違いはあるものです。
このハワイにおいて、悩みを抱える多くの国際結婚のカップルに向き合い、主任牧師の冬木友博先生とカウンセリングを行ってまいりました。夫婦げんかの原因は何か。それは、文化の問題でもなく、習慣の問題でもなく、ずばり男女の問題です。あまりにも男性が女性のことを知らなすぎ、あまりにも女性が男性のことを知らなすぎることが原因であるとの結論に行き着きました。
2. 尊敬されたい夫と愛されたい妻
あなたがたは、それぞれ、自分の妻を自分自身のように愛しなさい。妻もまた夫を敬いなさい。(エペソ5:33)
神様は私たちのことをよく知っておられます。人間を創造された方、人間をデザインされた方だからこそ言える言葉です。
尊敬して褒めてくれたら何でもしますよ、木にでも登りますよ、と言われる男性は多いと思います。その半面、愛されたい妻。神様はとてもユニークですね。ここで何と言われたか。「妻を自分自身のように愛しなさい」。ただ愛しなさいではなく、自分自身を愛するように妻を愛しなさいですよ。自分への扱いと、妻への扱いが同じだろうか?
私は手を挙げて自首します、有罪ですと(笑)。自分がお昼においしいものを食べたら、同じものを妻に食べさせてあげたいと買って帰るだろうか? 自分が好きな趣味に時間を費やしたら、同じ時間だけ妻に好きなことをさせてあげるだろうか? 自分が好きなものを買ったら、妻に同額の買い物をさせてあげるだろうか? 自分自身を愛するように妻を愛しなさいとは、そういうことではないでしょうか。
3. 人は自分にしてほしいことを相手にしてしまう
妻と付き合い始めたころ、私が車を運転していると、助手席から私の肩や背中や腕を触ってくるのです。「運転中で危ないからやめなさい!」「なんでコチョコチョ触ってくるの?」と文句を言ったものです。実は、彼女は私に触れてほしいがなかなか触れてくれないので、自分から私に触れたら、私が触れてくれるようになるのではと期待していたことに後で気付かされたのです。
触れてくれない私に、だんだんと妻の口調が厳しくなり…。尊敬してほしい、褒めてくれれば何でもしてあげるのに…。2人の関係はだんだんと冷たくなり、会話も少なくなり、あのままでは間違いなく離婚していたことでしょう。
4. 1冊の本との出会いに人生が大きく変えられた
尊敬をもって褒めてくれれば、何でもします、木にでも登りますよ。きっとそう答える男性はこの世の中に多くいらっしゃると思います。掃除さえ、ごみ捨てさえ手伝ってくれたら私は幸せ、と言われる女性もたくさんいらっしゃることでしょう。
クリスチャンカウンセラー、ゲーリー・チャップマン著『愛を伝える5つの方法』(いのちのことば社)との出会いが、私の人生を大きく変えたのです。人間にはそれぞれラブタンクがあって、そのラブタンクが埋まらずに生活を続けていると、エンジンオイルが切れた車のようにいつかエンジンが焼けてしまい、動かなくなってしまいます。非行に走る多くの若者は、親からラブタンクを埋められずに育ってきた人が多いといわれています。両親の離婚を経験した、または生まれた時から両親の顔を見たことがなく育ってきた子どもたちです。親の責任は重大です。
5. 相手が愛を感じる方法で接することの大切さ
大きく分けますと、人間が相手の愛を感じる方法は5つあるといわれます。そのうちのどれが効果的かは、人によって違います。
- 肯定的な言葉(愛情、称賛、感謝を言葉で表現する)
- サービス行為(言葉よりも行動で愛情を示したり受け止めたりする)
- 贈り物(愛や好意の象徴として贈り物をする)
- クオリティータイム(中断や邪魔の入らない上質な時間で愛情を示す)
- 身体的タッチ(セックスや手を握るなど、身体的な接触を通じて愛情を感じる)
まずは自分自身を考えてみましょう。5つのうち、自分が愛を感じる2つと、あまり愛を感じない2つを選びましょう。そして、今度は愛する人に聞いてみましょう。妻、旦那、子ども、両親、友人、職場の同僚、ボスや従業員。人間関係がものすごく円滑になります。そして、何よりもあなたを愛する人々が、あなたが愛を感じる方法で接してくれるようになります。
参考までに、私は褒められることが1番で、ヘルプ(サービス行為)が2番です。私の妻はスキンシップが1番で、クオリティータイムが2番です。だいたい夫婦はタイプの違うケースが多いです。似たもの夫婦もたまにはいますが。ですから私が努力してスキンシップを持ち続けると、妻は優しい言葉でよく褒めてくれます。
あなたの周りに、よく日頃から食べ物や飲み物、お花や何かしらのギフトを持ってきてくださる人がいませんか? その方が愛を感じる方法は、間違いなくギフトです。自分がギフトをもらうときに愛を感じるので、常日頃から周りの人にギフトを与え続けているのです。
ぜひ、この「愛を伝える5つの方法」を実践してみてください。あなたは結婚相手が愛を感じる方法で接していますか? 相手によってコミュニケーションの方法を変える必要があるのです。
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