米ジョージア州アトランタ近郊に拠点を置くメガチャーチ「ノースポイント・コミュニティー教会」(礼拝出席者数約4万人)のアンディー・スタンリー主任牧師は14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、このままでは信徒の安全を保証することは困難だとして、対面式の礼拝を年内は中止すると発表した。
スタンリー牧師はフェイスブック(英語)で、「新型コロナウイルス感染症の増加、礼拝出席者へのアンケート結果、既に再開している他教会の経験に基づき、今年の残りの期間は、対面による成人向けの礼拝を中止することを決定しました」と発表した。同教会では8月9日から対面式の礼拝再開を予定していたが、感染拡大の影響でそれも困難になったと説明。教会として非常に難しい決断だったと語った。
「ご想像の通り、この決断は簡単なものではありませんでした。実際、可能であれば8月9日に再開すると発表した5月はまだ、感染者数が実際に正しい方向に向かっていました。それが変わったのです。そのため、皆さんの安全を保証することができず、それが今回の決定の大きな部分を占めています。たとえ再開したとしても、それが大人向けであっても子ども向けであっても、社会的な距離を保ちながら質の高い礼拝体験を提供することはできないでしょう」
スタンリー牧師は、今回の決定により、彼の信仰姿勢を批判する人がいるかもしれないことを認める一方、ここ最近、対面式の礼拝を再開した同規模の教会の経験を踏まえた上での決定であることを説明した。
「この決定は、2、3週間前に再開した全米の他の類似規模の教会の経験に基づいたものです。私たちが礼拝を再開して、私たちに関係するボランティア、子ども、学生、大人のいずれかに陽性反応が出た場合、私たちは(陽性者の)全接触者を追跡する責任があります。それが正しいことであり、責任あることでもあるのですが、それを行うのはほとんど不可能なことです」
「私たちの教会に長く在籍していれば、それがどれほど難しいことか、また不可能に近いことか想像できるでしょう。正直なところ、これは他の教会が直面している不測の事態の一つにすぎません。ですから真実は、私は実際大きな信仰を持っているということです。キリストの体である教会、また地域教会としての私たちの教会は、この状況を乗り切るだけでなく、最終的には結果として大きく成長することを、私は絶対的に確信しており、そうなることへの大きな信仰を持っています」
米キリスト教調査会社「バーナグループ」が3月20日~7月14日にかけて実施した調査(英語)によると、建物内での対面式の礼拝再開を2021年まで待つと答えた牧師は、4月中旬時点ではいなかったが、7月中旬時点では5パーセントまで増加。その他、11~12月に再開予定と答えた牧師は5パーセント、9~10月は16パーセント、7~8月は26パーセントだった。一方、7月中旬時点ですでに再開していると答えた牧師は49パーセントおり、全米の約半数の教会が対面式の礼拝を再開していることになる。