ギデオンはミデヤン人からのがれて、酒ぶねの中で小麦を打っていた。主の使いが彼に現れて言った。「勇士よ。主があなたといっしょにおられる。」ギデオンは・・・言った。「・・・もし主が私たちといっしょにおられるなら、なぜこれらのことが・・・起こったのでしょうか。私たちの先祖たちが・・・話したあの驚くべきみわざはみな、どこにありますか。今、主は私たちを捨てて、ミデヤン人の手に渡されました。」・・・主は彼に向かって仰せられた。「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。わたしがあなたを遣わすのではないか。」(士師記6:11~14)
全国の緊急事態宣言が解除され、新しい生活様式での社会生活が動き出します。まだ治療薬もワクチンも開発されておらず、不安もありますが、私たちはクリスチャンとして、自分が置かれている場所で、主に強められ、前進してまいりましょう。
士師記は、ヨシュアが死んで以降のイスラエルの民の歴史書です。モーセに導かれ、エジプトの奴隷生活から脱出したイスラエルの民が40年の荒野の生活を経て、やっと約束の地であるカナンに入ることができました。しかし、そこにいた異民族であるミデヤン人は強く、追放することができずにいました。イスラエルの民が一生懸命、麦を収穫しても、ミデヤン人が襲って来て奪われてしまいます。
その時代、イスラエルの民にはまだ王様はなく、「さばきつかさ」と呼ばれるリーダー(士師)たちが代わる代わる現れ、イスラエル人を信仰へと導いていったのです。そんな中、神はギデオンを5番目の士師として選び出しました。臆病風に吹かれていたギデオン。この物語を今の私たちと重ね合わせ、神からのレッスンを受け止めたいと思います。
1. 私たちに呼び掛ける神様
私たちの信じる神様は、沈黙を守り、何もしないでいるお方ではありません。おびえて酒ぶねに隠れているギデオンに、天使を遣わして「勇士よ」と呼び掛けたように、私たちにも呼び掛け、働き掛けてくださる神様です。
2. 私たちの可能性に対して語り掛ける神様
ミデヤン人におびえて隠れていることしかできない弱いギデオンに神は「勇士よ」と語り掛けました。また、教会を迫害するパウロを「わたしの名を異邦人に運ぶ選びの器」と呼び、イエスを裏切ったペテロに、「わたしの羊を飼いなさい」と期待するお方です。神様は私たちの弱いところではなく、一番良いところに目を付け、語り掛けてくださるから感謝です。
今あなたも、どん底の現状や自分の力のなさを覚えているかもしれません。ですが、パウロが「私が弱いときにこそ、私は強い」と語ったように、弱い時にこそ、神様の強さと力を頂くことができます。自分の弱い時こそ、神様の器である勇士として用いられ得ることに気付きたいと思います。
3. 神様が勇士と語られるときには、計画がある
ミデヤン人を恐れて隠れていたギデオンに、「勇士よ」と神様の声が臨み、イスラエルをミデヤン人の手から救い出す使命が与えられます。神様が勇士と語り掛けるときには、私たちの可能性に目を向け、私たちと共に事を成してくださる計画をお持ちであることを、感謝して受け止めましょう。神様は、私たちのことを諦めておられません。
このコロナウイルスショックの中で、私も牧師として、日本のリバイバルのことを祈っています。「この疫病に対して、どう戦うべきですか・・・」。私もしばらく、酒ぶねの中で穂を打っていました。でも、神様は私に「勇士」と語ってくださいました。「勇士よ。主があなたといっしょにおられる」。この言葉は、ギデオンだけでなく、あなたのための言葉です。「あなたの力で、事を成せ」と、神様は語っておられます。さあ、あなたの職場、家庭、人間関係の中で、共に立ち上がろうではありませんか!
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