世界的なキリスト教弁証家として知られるラビ・ザカリアス氏が19日、米ジョージア州アトランタの自宅でがんのため死去した。74歳だった。
1946年インド生まれ。17歳の時に自殺未遂で入院中、聖書に書かれたイエスの言葉「わたしが生きているので、あながたも生きることになる」(ヨハネ14:19)に出会い、献身を決意。66年に家族でカナダに移住。カナダのオンタリオ聖書大学(現ティンダル大学)卒業後、プロテスタント教派「アライアンス」(C&MA)の伝道者として宣教活動を開始する。
83年、故ビリー・グラハム氏が世界中の伝道者を集めてオランダの首都アムステルダムで開催した第1回世界伝道者会議で講演し、キリスト教弁証家として注目を集める。翌84年に「ラビ・ザカリアス国際宣教団」(RZIM)を設立し、生涯で計25冊の書籍を出版。ラジオやテレビでキリスト教番組「Let My People Think(わが民を思考させよ)」を主宰するなどし、キリスト教を知的側面から弁証した。世界各地で講演も行い、2018年にはRZIMのフォーラムが日本で初開催され、ザカリアス氏も来日講演している。
ザカリアス氏の訃報を受け、世界福音同盟(WEA)は同日、公式サイトに追悼文(英語)を掲載。WEAのエフライム・テンデロ総主事は「教会はキリスト教信仰の最も優れた擁護者の一人を失った」と述べ、その死を惜しんだ。米国のマイク・ペンス副大統領もツイッター(英語)で哀悼の意を示し、「ザカリアス氏は、われわれの時代において真理の言葉を適切に扱える数少ない信仰の人であり、私の親友でした」とコメント。ザカリアス氏と握手する写真も投稿した。