女性信徒への強制わいせつ容疑で書類送検されていたカトリック長崎大司教区の神父(45)について、長崎地検は16日、不起訴処分にしたと発表した。処分は8日付。被害者のプライバシーに配慮して、地検は処分理由を明らかにしていない。時事通信などが伝えた。
これまでの報道によると、神父は2018年5月、自身が司祭を務める長崎県内の教会に女性を呼び出し、抱き付いたり、体を触ったりした疑いで、今年2月に書類送検されていた。長崎大司教区の人権相談窓口に女性が相談し、発覚。長崎大司教区は司祭からも話を聞いた上で、被害があったと判断。2018年秋ごろに神父を聖職停止処分としていた。女性は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)となり、長期入院を余儀なくされたという。
長崎大司教区はNHKの取材に、「不起訴になったいきさつは把握していないし、捜査機関でもない教区でこれ以上の調査はできず、事実確認は難しい」とコメント。その上で、女性から相談があったことは事実で、「女性と関係者にお詫びし、これからも誠実に対応したい。こうした事案を二度と起こさないよう具体的な対策を練っていく」とした。神父については、「しかるべく対応する」としている。