新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、礼拝をインターネットで動画配信する教会が増えていることを受け、日本同盟基督教団理事会は18日までに、所属教会に対しオンラインの礼拝プログラムにおける聖餐の執行は控えるよう求める指針を、教団ホームページで発表した。オンライン礼拝を行う教会が増える中、聖礼典、特に聖餐の執行について問い合わせが寄せられていたという。
指針では、オンライン礼拝での聖餐執行について、司式者と陪餐者が離れた場所にいる状態で二品が配餐され受領される形を想定。こうした場合、「『共に与(あずか)る食卓』という聖餐の持つ意味、制定の御言葉と聖別の祈りの示す意向、陪餐者のふさわしさの吟味などを十分に確保することに制約が生じます」と指摘。このような状況下で聖餐を執行すれば、さまざまな問題が生じかねないとし、オンライン礼拝での聖餐執行は「慎んでいただきたい」とした。
その上で、共に集まって聖餐を伴う礼拝ができない場合は、それが可能となるまで延期するか、牧師と役員による訪問聖餐、少人数による聖餐などで対応するよう勧めている。
指針は、オンラインの礼拝プログラム配信時における聖礼典の執行に関するもので、聖餐だけでなく洗礼においても同じく、オンラインでの執行は控えるよう求めている。
理事会はこうした指針を示す一方、東京都や大阪府などでは教会が休止要請施設の「対象外」にされ、特に大阪府などでは「社会生活を維持する上で必要な施設」「生活必需サービスを提供する店舗等」に分類されていることに言及。オンライン礼拝に切り替えている多くの教会を祈りに覚えつつ、「礼拝の自由や集会の自由が保障されることは当然のことですから、各教会がいたずらに萎縮することなく、自律的な判断をもって礼拝と宣教に励まれるよう願っています」と述べている。