バチカン(ローマ教皇庁)人間開発省は15日、新型コロナウイルス感染症(COVID–19)の世界的な拡大に対応するため、新たに「COVID–19委員会」を設立したと発表した。特にパンデミック(世界的大流行)後に焦点を定め、新型コロナウイルスが社会経済と文化に与える影響について分析と考察を行い、その対策となるガイドラインを提案することなどが目的。教皇庁公営のバチカン・ニュース(日本版)が伝えた。
同省長官のピーター・タークソン枢機卿は設立に当たり、「一つの危機には、別の危機が、さらにはまた別の危機が付随してくる恐れがあり、こうしたプロセスの中で、私たちは遅れながら、苦しみのうちに、教皇フランシスコが回勅『ラウダート・シ』で先見をもって教えられた、私たちの『共通の家』をいたわることの大切さを学ばざるを得ない」と述べた。その上で、現状の必要に応える具体的な行動を調整すると同時に、未来を探り、将来のために準備することも欠けてはならないと指摘した。
COVID–19委員会は、国際カリタスなどと協力して教会を支援するグループや、パンデミックに関する研究を行うグループなど、5つのグループに分けて作業を行う。
人間開発省はローマ教皇フランシスコが3年前に創設した新しい部署で、同委に関しては先月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、教会の配慮と愛をすべての人々に伝えるためとして、同省に設立を呼び掛けていた。