あなたが右に行くにも左に行くにも、うしろから「これが道だ。これに歩め」と言うことばを、あなたの耳は聞く。(イザヤ書30章21節)
米国人宣教師の5歳の息子に、「天国ってどんなところだと思うか?」と聞くと、「天国では誰でも自由に飲める水飲み場があって、蛇口をひねるとコカ・コーラが出てくるんだ!」と言いました。コカ・コーラの世界進出には驚くべきものがあります。米国の外交官が入国できない国にもコカ・コーラは進出しています。
この企業が、世界的な企業になった一つの大きな要因は経営者たちの献身的な努力です。かつてコカ・コーラの会長が言いました。「私の体の中にはコカ・コーラが流れています。血管を切ったらコカ・コーラが吹き出てきます!」そのくらい彼は寝ても覚めてもコカ・コーラのことを考え、全精力と時間をコカ・コーラのためにささげたのです。
偉大なことを成し遂げた人の共通点はそれがどんな分野でも、ただ一つのことに情熱を注いだということです。イエス・キリストの福音を世界中に広げた最大の功労者といわれるパウロは次のように言っています。
私が自分の走るべき道のりを走り尽くし、主イエスから受けた、神の恵みの福音を証しする任務を全うできるなら、自分のいのちは少しも惜しいとは思いません。(使徒20:24)
パウロもまた神から与えられた使命に全精力を傾けた人物です。
米国にフィリップ・プレスコット・パーラムという画家がいます。エール大学大学院の美術の修士課程を修了しています。初期の頃の彼の作品は子どもの空想の世界やファンタジー、日本の歌舞伎などを書いています。しかし大学卒業後、絵では食っていけずサンフランシスコで株式仲買人を15年やりその後は自己啓発の会社を立ち上げ米国やカナダで講演活動をします。
お客さんに「あなたの夢や目標は必ず実現します」と励ましているうちに自分が自分の夢を達成していないということを強く感じるようになったのです。そしてパーラムさんはもう一度画家として再出発をします。彼はクリスチャンだったので祈っているときに「米国の美術史を塗り替えるような絵を描かなければならない」という使命感のようなものを感じたのです。彼は言います。
「米国の美術史は神聖さを失っている。ポストモダンアートでは神など必要ないと言う人もいる。しかし神を忘れた米国社会はどうなっているのか。米国が抱える数々の問題をどう説明するのか。私たちは神に立ち返らなければならない。神こそが人生のすべての問題を解決してくださる方である。私の作品を見て人生を諦めかけた人々が勇気と希望を見いだしてくれることを願っている」
「作品をまとめるのに苦労しているとき、神はいつも新しい発想を与えてくださる。それはまるで『私はお前がしていることを心から信じている』と言われるようだ。私にとって絵を描くことは、神から与えられた使命だと思っている」
パーラムさんの絵は旧約聖書の物語をテーマにしています。作品の一つに天地創造の物語がありますが、その中で人が土から創造される場面では父、子、聖霊の神が神に似せて人が造られることを、喜びをもって見ておられる姿が描かれています。
この作品の父なる神の姿を描いているとき、聖霊が彼に語られたそうです。「いつの日か、あなたはこの方の御顔を直接拝するのだよ」。その時感動で涙があふれて止まらなくなったそうです。神は特別な人だけでなく、すべての人に対して「これがあなたの歩むべき道だ、これに歩め」と言って導いてくださるお方です。
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