「高島易断総本部」を名乗って活動していた宗教法人「幸運乃光」が、相談者の不安をあおり、高額の祈祷料を支払わせていたとして、関東地方に住む元相談者6人が幸運乃光と代表らを相手取り、約1640万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。時事通信が27日伝えた。
訴状によると、幸運乃光は、易学で知られる「高島易断」が入った「高島易断総本部」「高島易断崇鬼占相談本部」と称して活動。新聞の折り込み広告などで「鑑定料2000円」と宣伝し、相談会に行った人は、「水子の霊がついている」などと言われ、多いもので約700万円を支払わされたという。
訴えを起こしたのは栃木、埼玉、東京、神奈川の各県在住の31歳から80歳までの男女。共同通信によれば、弁護団は被害相談を受け付け、ほかにも20人で計4000万円近くの被害を把握しているという。
弁護団の山口広団長は時事通信に対して、特定商取引法が祈祷についての規制を強化した昨年7月以前の支払い分について、幸運乃光側が返金に応じなかったため、今回の提訴に踏み切ったと説明。一方、幸運乃光側は弁護団に対して、「契約に不備があったものについては返還に応じるが、被害者を脅すなどの違法行為はない」(共同)と説明しているという。
幸運乃光に対しては経済産業省が今年3月、その活動が特定商取引法違反(不実告知など)に当たるとして、契約や勧誘などの一部業務を3カ月間停止するよう命令。宗教法人としては初めての業務停止命令となった。共同通信によれば、幸運乃光は現在は活動していないという。