新型コロナウイルス対策のため、バチカン(ローマ教皇庁)が1月27日以降、中国の3つの省に計60~70万枚のマスクを送った。教皇慈善活動室やバチカン薬局、イタリアの中国人クリスチャンのグループが協力したという。中国の環球時報(英語版)が3日、伝えた。
環球時報によると、マスクの寄付は、教皇庁立ウルバノ大学で助任司祭を務める中国出身のビンチェンツォ・ハン・デュオ神父が考えた。教皇慈善活動室のコンラート・クライェフスキ枢機卿に相談し、同室と現地の中国人クリスチャンのグループがマスク代を負担。バチカン薬局がイタリアの国中のマスクを買い集めたという。
中国までの輸送は、中国南方航空などが無料で請け負った。マスクが届けられたのは、ウイルスが発生した武漢のある湖北と、東部の浙江、福建の計3省。ハン神父は環境時報に対し次のように語った。
「必要としている人々のところに、マスクが速く行き渡ることを願っています。そうすることで、ウイルスのために苦しんでいる人たちに、バチカンの関心が伝わるでしょう。全世界がこのウイルスとの戦いのために協力しています」