最近、キリスト教信仰を前面に押し出している米人気歌手カニエ・ウェストの最新アルバム「ジーザス・イズ・キング」のリリースと併せて公開された同名映画が、13日(金)~15日(日)の3日間、東京・池袋のグランドシネマサンシャインIMAXシアターで限定公開される。
映画「ジーザス・イズ・キング」は、米アリゾナ州フラッグスタッフの「ローデン・クレーター」で今夏行われたウェストのイベント「サンデー・サービス(日曜礼拝)」を収録したもの。サンデー・サービスは、ウェストが毎週日曜日に全米各所で開催しているゴルペル調のイベント。始まったのは今年に入ってからで、ウェスト自身が編成した聖歌隊が登場し、ウェストの楽曲のほか、古き良き時代の賛美歌や最新のゴスペルなどを歌う。最近では、米最大のメガチャーチであるレイクウッド教会(テキサス州)でも行っている(関連記事:カニエ・ウェスト、米最大の教会の礼拝に出席 コンサート生放送は100万人超視聴 グラハム氏「驚いている」)。
映画では、アルバム「ジーザス・イズ・キング」の収録曲はもちろん、ウェストがアレンジした伝統的なゴスペル13曲を、サンデー・サービスの聖歌隊が熱唱する。約30分の短編映画だが、臨場感あふれるIMAXシアターで再現される映像とサウンドで、実際にサンデー・サービスに参加しているような体感を経験できる。監督は、ウェストのミュージックビデオを以前から手掛けてきた世界的に有名な英国人写真家ニック・ナイト。
本作のメイキング映像でウェストは、「ゴスペル(福音)を広めるのが、俺の使命。娯楽ではない。俺は伝道師」とコメント。聖書の言葉をちりばめながら、「俺が作る音楽や映画、すべての会話や場も、人々の魂を救い永遠の地獄から守るためにある。芸術を通して神の言葉を語る」などと語っている。
本作は当初、6日(金)~8日(日)の3日間限定で公開される予定だったが、チケットが即完売するなど大ヒットしたことから、追加上映が急きょ決定した。
初日の6日には、上映を記念したトークショーも行われた。登壇したのは、コラムニスト、ラジオパーソナリティーとして活躍しているジェーン・スーさんと、音楽ライターの渡辺志保さん。渡辺さんはIMAXシアターの臨場感に驚きを示しつつ、「本作の下敷きになっている企画『サンデー・サービス』を最初、(ウェストの妻である)キム・カーダシアンやセレブのインスタグラムで見ていたんですが、いつか行ってみたいな、いつかあの輪の中に入って『ハレルヤ』したいと思っていたんです」とコメント。スーさんは「ここがある種の礼拝堂、教会に感じられるぐらいの迫力がある」と言い、「ユーチューブで見られる他の『サンデー・サービス』の動画とは全然違う。現代芸術映像。ドキュメンタリーというより、キチッと作り込まれた映像作品」と絶賛した。
本作収録の「サンデー・サービス」が行われた「ローデン・クレーター」は、現代芸術家ジェームズ・タレルが、死火山の噴火口とその周囲を天文台に造り替えるという壮大なプロジェクトの施設。1972年から天文学者や建築家らと共に制作を始め、半世紀近くたった今もまだ完成しておらず、制作が続けられている。ローデン・クレーターの内部を撮影した映像が公開されるのは、今回が初めてだという。
鑑賞料金は、特別鑑賞料金1500円、プレミアムクラス3000円、グランドクラス4500円。チケットの購入は、グランドシネマサンシャインのウェブサイトで鑑賞日の2日前午前0時から可能。劇場窓口での購入は、鑑賞日2日前の劇場オープン時から可能(ただし、残席がある場合のみ)。
■ カニエ・ウェスト映画「ジーザス・イズ・キング」メイキング映像