米人気歌手カニエ・ウェストが17日、全米最大とされるメガチャーチ、レイクウッド教会(米テキサス州ヒューストン)の午前11時からの礼拝に出席した。礼拝では、同教会のジョエル・オスティーン牧師と語り合い、最後には自身の言葉で祈りもささげた。また午後7時からは、ウェストが全米各地で行っているコンサート「サンデー・サービス(日曜礼拝)」を開催。約1万7千を収容可能な教会は満席となり、ライブ放送はフェイスブックだけでも100万人以上が視聴した。
ウェストは10月末、新アルバム「ジーザス・イズ・キング」をリリース。9作連続でビルボードの全米アルバム・チャート1位を獲得し、歴代最多タイを記録した。米CBS(英語)によると、ウェストはこの日、妻のキム・カーダシアンと娘のノース・ウェストちゃんと共に礼拝に参加。オスティーン牧師に歓迎されてステージに立ったウェストは、最近目覚めた自身の信仰について話し、「唯一のスーパースターはイエス様」「イエス様は勝利した」などと語った。
「これまで自分が傲慢でうぬぼれていたことを話してきました。(しかし)今は、神様がこれまで創造された中で最も素晴らしいアーティストとして、神様のために奉仕しているのです」
米フォックス・ニュース(英語)によると、オスティーン牧師は「今日は私たちにとって、歴史的な日だと思います。異なる世界が一つになったような」とコメント。ウェストもそれに応じ、「このすべてに意味があるように感じます。神様はすでに、私をこの教会につれてくる計画を持っていたのです。神様は私にどこに行っても歌わずにはいられないテーマソングを与えてくれました。それが『ジーザス・ウォークス』(ウェストのヒット曲)です」と語った。
「神様が昔から私を呼んでいたことは知っています。(しかし)悪魔が(その召命から)私の気持ちをそらさせてきました。人生のどん底だったとき、神様は一緒にいてくださり、ビジョンを与え、やる気を起こさせてくれました」
午後7時から行われたコンサート「ジーザス・イズ・キング:サンデー・サービス・エクスペリエンス」では、自身のクワイアと共に、「ジーザス・イズ・キング」から「セラ」「フォロー・ゴッド(神に従う)」などを歌った。ウェストのファンの中には、午前5時から教会前で列を作る人たちもいたという。
コンサートの模様は、フェイスブックやユーチューブでライブ配信され、フェイスブックでは24時間以内に再生回数が100万回を超え、ユーチューブの再生回数も22日時点で110万回を超えている。
コンサートに参加したフォックス・ニュースの司会者で、政治アナリストのローレンス・B・ジョーンズ3世は、コンサートの動画を添えて次のようにツイート(英語)した。
「カニエ・ウェストのキリスト信仰は、本物なのか、信頼できるのかと、疑う人がいるのを知っています。でも、皆さんもきっと同じ質問を自分に投げ掛けるべきなんです。私はこの目で、(コンサートに参加した)人たちがキリストに人生をささげる決意をするのを見ました。でもいまだに、カニエのことをもっと疑う人がいます。そんなのおかしいです」
ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の総裁で、キリスト教NGO「サマリタンズ・パース」の総裁でもあるフランクリン・グラハム氏は翌18日午前、フォックス・ニュース(英語)に出演し、ウェストの変化について「今起こっていることに驚いています」と語った。
「神が人の心に働かれ、その人を変えるのは素晴らしいことだと思います。カニエの人生は全能なる神の力で変えられたのです。それはイエス・キリストを信じるカニエの信仰によるものでしょう」
「誰が思ったことでしょう。カニエが教会に行くなんて。1、2年前、誰が思ったことでしょう。カニエが神に用いられ、世代の異なる若者たちにイエス・キリストの福音を伝えると」
「神が(カニエに)御手を置き続けますように。これから多くの人が現れて、彼を使い、操ろうとするはずですから」
「カニエが残りの生涯、神の召しに意識を向け続けることを私は願います」
「カニエは立派だと思います。私は彼のために祈ります。彼が大成功しますように。これからカニエは次から次へと教会を巡回し、このようなイベントを行うでしょう。カニエにさらなる力が与えられますように」