メガチャーチの成長に関する新たな研究結果が発表され、テキサス州ヒューストンにあるレイクウッド教会(ジョエル・オスティーン牧師)が、礼拝出席者数5万2千人で全米最大の座を維持した。
ジョン・N・ボーン博士が1980年に創設し主宰するメガチャーチ研究所「チャーチ・グロース・トゥデイ」は、レイクウッド教会には2010年以降で7200人の教勢の成長が見られると指摘し、毎週末の礼拝の出席者数において全米最大であると声明の中で述べた。
レイクウッド教会は現在、1999年に亡くなった同教会の創設者でジョエル牧師の父親であるジョン・オスティーン牧師が牧会していたときと比べ、5倍の信徒数を擁している。
調査結果によれば、2010年以降、27の新しいメガチャーチで教会出席数に増加が見られるが、他の39のメガチャーチは、週当たりの出席者数がボーン氏によって確立されたメガチャーチの最低ラインである2000人を下回っている。
ボーン氏は、「この最新の研究は、(米国で)最も大きい100教会のうち60パーセントが成長しており、20パーセントが頭打ちしていることを示しています。また11パーセントのみですが、過去5年間に出席者数が減少していることを示しています」と付け加えた。
ボーン氏はまた、幾つかのメガチャーチが出席者数を伸ばしている理由の1つとして、マルチサイト(複数の集会所)での集会の持ち方に関係があると指摘し、100のメガチャーチのうち4分の3がマルチサイトで会衆を集めていると述べた。
レイクウッド教会は単一サイトでは最大の教会となっているものの、7つの州で25のサイトを持つオクラホマ州エドモンドのライフチャーチは、毎週7万人もの会衆を集めている。
しかし、米国のメガチャーチは、いまだに世界最大の教会に遅れを取っている。韓国ソウルにある汝矣島(ヨイド)純福音教会は18万人の礼拝出席者を集めており、アルゼンチンのサンタフェにあるビジョン・デ・フトゥロ教会は、8万人の信者を有している。またナイジェリアのラゴスにあるディーパー・クリスチャンライフ・ミニストリーには、毎週7万人が出席している。
「アフリカは、2020年までに最もクリスチャン人口の多い大陸になることが予測されています。アフリカには既に、2万人以上の出席者数を報告する教会が15以上あります」と、チャーチ・グロース・トゥデイは述べている。
また、「米国の多くの教会指導者が、米国独自の創造性や革新性だと思い込んできたものは、他国のメガチャーチではここ数十年間、旧式の学校生存競争戦略とみなされてきたものに過ぎません」と付け加えた。
ジョエル牧師は、米ニューヨーク・タイムズ紙で複数の著書がベストセラー書籍として選ばれており、動機付けのメッセンジャーとして知られている。しかしその一方で、説教において罪やサタン、地獄などのトピックがおおむね避けられていると批判されている。
米国におけるメガチャーチの成長は、米国社会学会の機関誌「ソキウス」をはじめとする幾つかの調査報告では肯定的に見られてこなかった。ソシウスは今年2月、大きな教会は小さな教会に比べて人間関係が薄いと報告している。
デューク大学の「医療政策と不平等研究センター」(ノースカロライナ州ダーラム)の研究員であるデビッド・イーグル氏らの研究によると、「グループの結束は、教会の大きさと教会活動への参加度合いに深く関係している」ことが判明している。
ソキウスは、「米国ではメガチャーチの急成長により、教会出席者数と教会出席頻度との間に負の関係があり、それが教会出席者の集計数の下落を加速する方向に作用した可能性がある」と述べている。