米国で400人を超える人が投資詐欺の被害に遭った。被害者の多くは、アフリカ系米国人のキリスト教徒で、主犯格に対し懲役約20年が命じられた。
長期にわたって詐欺を働いてきたのは、エフレン・テイラー被告とその共犯者。テイラー被告らは、出資金詐欺により400人以上の人から総額1600万ドル(約19億円)をだまし取った。
「テイラー被告の『富を築く』ツアーは、実際には全く反対の結果をもたらし、数百人の投資者を犠牲にした上、その中の多くを経済的に悲惨な状況に追い込みました」と、原告側の弁護士ジョン・ホーン氏はプレスリリースでコメントした。
「全米中の教会で、テイラー被告は自身を社会的意識の高い投資家と見せかけましたが、彼の投資機会は彼自身の富を築くために作られた、投資詐欺以外の何物でもなかったのです。この判決は、被告の行いにより生活を荒廃させられた人々に、正義をもたらすものです」
米国弁護士会ジョージア州支部は、これに加えて次のような声明を発表した。
原告側のホーン弁護士によると、裁判で明らかになった犯罪の事実やその他の情報は、まずシティ・キャピタル社のCEOテイラー被告が全米で出資金詐欺を主導したということです。総数で、彼は400人以上の被害者をだまし、1600万ドル(約19億円)以上を投資させたのです。少なくともウェンディ・コナー被告がシティ・キャピタルに参加した2009年4月以降、2010年10月までの間に、278人の被害者が580万ドル(約7億円)をだまし取られました。
この手法の中で、テイラー被告は『富を築く』ツアーとして全米中を旅し、教会の会衆に財産管理のセミナーを開く一方、アフリカ系米国人とキリスト教徒のコミュニティーを標的としました。このツアーの中で、テイラー被告は自らを社会的意識の高い投資家とし、運用益の20%を慈善団体に寄付するとのうその主張をしました。
『富を築く』ツアーの会場の一つとなった教会が、ジョージア州リソニアにあるニュー・バース・ミッショナリー・バプテスト教会でした。ここでテイラー被告とコナー被告は、参加者と投資について討論しました。ジョージア州の80人以上が、テイラー被告の手法により合計200万ドル(約2億4千万円)以上を失いました。
エディ・ロング牧師が牧会するニュー・バース・ミッショナリー・バプテスト教会に加え、自らを「社会的資本家」と名乗る32歳のテイラー被告は、ジョエル・オースティーン牧師・ビクトリア・オースティーン牧師夫妻が牧会するテキサス州ヒューストンのレイクウッド教会も標的とした。
ニュー・バース・ミッショナリー・バプテスト教会の会衆のうち13人は、事前にテイラー被告の詐欺について警告を受けていたにもかかわらずテイラー被告を招いたとして、ロング牧師を民事訴訟で訴えた。ロング牧師は、これらの元教会員たちと2014年2月に和解した。同教会における被害金額は約100万ドル(約1億2千万円)に上る。和解金額は公になっておらず、ロング牧師は詐欺自体には全く加担していない。